緑内障は、視神経が障害を受け、視野が欠けていく疾患です。40歳以降の中高年に多く発症し、放置しておくと失明に至る事もありますので注意が必要です。
緑内障の主な原因は眼圧上昇ですが、どうして眼圧が高いと緑内障を発症するのでしょうか?
眼圧と は、眼球内を満たしている眼内液(房水)の圧力のことで、眼球を一定の形に保つ役割をしています。通常、房水は産生と排出のバランスが保たれていますが、 房水の排出が妨げられたり、産生が過剰になると、房水量が増えて眼圧が上がり、その圧力によって視神経に障害を起こして視野が欠けていきます。
2000年~2001年に岐阜県多治見市で行われた大規模な疫学調査によれば、緑内障の有病率は40歳以上で20人に一人という結果が出ています。さらに注目すべきところは、その中の約70%の方は、正常眼圧だったという事です。
即ち、眼圧が正常値であっても、個人差がありますので緑内障と診断されることも多いようですので、40歳を超えたところで一度眼科検診を受けてみるのも良いかもしれません。
眼圧を1mmHg下げると、緑内障の進行のリスクが1割減少することが海外の大規模臨床試験で示されていることから、緑内障の治療は、眼圧を低下させる点眼薬を用いる薬物治療、手術治療、レーザー治療があります。
中でも点眼薬の治療が第一選択となる場合が多いようですが、さらに一日1回の点眼薬がコンプライアンスを維持するためにも使いやすいと考えられています。
ところで、ステロイド剤を使用している方や長期にわたり鎮暈剤などを使用している方は、眼圧を上昇させることがありますので注意が必要です。