新しいタイプの画期的な糖尿病治療薬がいよいよ発売されます!
国内では約10年ぶりとなる新しい作用機序を有する糖尿病治療薬が製造承認を受け、年内に新発売されます。
一般名「シタグリプチン」(商品名;ジャヌビア、グラクティブ)がそれで、消化管から分泌されるホルモン「インクレチン」の薬理作用を応用した薬です。
「インクレチン」という名前も聞きなれないことと思いますが、栄養素の摂取に伴って消化管から血中に放出され、膵臓からインスリン分泌を促すホルモンの総称です。
通常、食事を摂取するとインクレチンが分泌されますが、この活性は約5分程度で消失してしまいます。
しかし、シタグリプチンを服用することによって、インクレチンを増加させインスリンの分泌を促します。
シタグリプチンの作用機序で、注目すべき点は、血糖値が低いときにはほとんど作用せず、血糖値が高いときだけ作用することです。
この点が、今までの医薬品と全く違うところです。
また、食後や食前などいつ服用しても効果に変わりないことも使いやすい医薬品といえます。
シタグリプチンは、単独服用でも今までのお薬と併用でも使用でき、どちらもHbA1cの低下作用が確認されています。
本年末以降、この系統の医薬品の発売が相次ぎますが、今までの抗糖尿病薬で血糖値がコントロールできなかった方に朗報と言えそうです。