高血圧治療の目的は、高血圧の持続によってもたらされている心血管病の発症とそれらによる死亡を抑制し、高血圧患者さんが充実した日常生活を送れるように支援する事です。 高血圧治療は、生活習慣の修正からスタートします。 即ち、
1:塩分は1日6g以下
2:野菜や果物の積極的摂取
3:BML値が25以下になるように減量 (BML=体重(kg)/(身長(m)×身長(m))
4:適度な運動
5:飲酒制限
6:禁煙
などで、これらを組み合わせて実行することです。
それでも血圧が下がらない場合は、お薬を使用することになります。お薬の種類は、カルシウム拮抗剤、利尿剤、β遮断薬、ACE阻害剤・・・などいくつもの種類があります。
昔は、利尿剤が第一選択として使用されていましたが、最近では、カルシウム拮抗剤が第一選択剤として使用されることが多いようです。 単剤で効果が現れにくい場合は、何種類か併用することになりますが、低用量から服用を開始するのが一般的です。 降圧剤は、長期にわたって服用しなければならないので、1日1回の投与が望ましいとされていますが、血圧の日内変動も個人差があるため、状況によっては朝夕2回に分けるほうが良い場合があります。
自分自身の日内変動を知るために、少なくとも朝夕の決まった時間に血圧を測定することが大切です。 ところで、カルシウム拮抗剤といえば、ご存知の方も増えてきましたが、グレープフルーツジュースとの相性が悪いので、お薬(カルシウム拮抗剤)をグレープフルーツジュースで服用する事は避けなければなりません。
また、最近特定保健用食品として、血圧が高めの方に有効とされている健康食品には、その作用機序としてACE阻害作用により血圧を安定させるものもあり、お薬の作用と重複する可能性もありますので、勝手に使用する事はよくありません。
これらのお薬に関わらず、お薬と食品との併用について最近知られてきたことなどもありますので、医師、薬剤師やサプリメントアドバイザーなどに相談してから健康食品をご使用されることをおすすめいたします。