近年、先進諸国では、アトピー性皮膚炎などアレルギー疾患の比率が劇的に高くなっています。 本年9月にスウェーデンの研究によって、生後9ヶ月までに魚を食べた乳児は、湿疹の発現リスクが低い事が示され、米国の医学誌「Archives of Disease in childfood 」9月25日号に掲載されました。
この研究は、イエーテボリ大学クイーンシルビア小児病院の研究グループが、スウェーデン西部で2003年に生まれた小児の医療記録と、生後6ヶ月及び1歳児に保護者が回答した質問表を用いて実施したものです。
その結果、生後12ヶ月までに、乳児の約21%が湿疹を経験したか、その時点で湿疹を有していました。平均発症年齢は、生後4ヶ月で、最大の危険因子は、家族歴でした。しかし、生後9ヶ月までに魚を摂取した乳児では、羅漢率が25%低かったそうです。
研究を担当したAlm博士は、「特にアレルギー疾患の家族歴のある乳幼児では、魚食の早期開始は湿疹や他のアレルギー疾患を引き起こす恐れがあるとされていましたが、今回の知見により、この不安から保護者を解放することができる」と述べ、生後5~6ヶ月ごろから、別の固形物と同時に、魚を少しずつ与えていく事を提案しています。
これは、海外での研究結果ですが、わが国では、食生活の欧米化に伴い、魚を食べる割合も少なくなりつつあり、この食生活のバランスの崩れが、アレルギー疾患の増加を引き起こしている原因のひとつとも考えられていることを考慮すれば、生後5~6ヶ月ごろから魚食を積極的に摂取することもアレルギー疾患の予防につながる可能性もあると思われます。