夏の暑い時季、暑さを乗り切る食材として、土用の丑の日に食べる習慣のある「鰻(うなぎ)」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
そもそも「土用」は、立夏・立秋・立冬・立春直前の約18日間の「期間」を示す言葉です。
そして昔の暦では日にちを十二支「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」で数えました。
つまり土用の丑の日は、「土用の期間におとずれる丑の日」を指します。
2017年は7月25日と8月6日の二回、土用の丑の日があります。
さて、天然ものの鰻の旬は、夏ではなく初冬なのですが、どうして夏の暑い時季に鰻を食べる習慣が出来たのでしょうか?
それは、江戸時代に遡ります。暑くて鰻が売れずに困っていた「うなぎ屋」が、エレキテルで有名な発明家の平賀源内に相談したところ、「本日、土用丑の日、うなぎの日」という張り紙をお店に貼ったところ、飛ぶように売れたということから現在に至っています。
当時は、土用の丑の日に「う」のつく食べ物(瓜、うどん、梅干など)を食べると体に良いという風習があり、「うなぎ」がピッタリあてはまったといわれています。
このように偶然に土用の丑の日に食べられるようになった「うなぎ」ですが、実は、栄養がとても豊富で究極の美容食とも言われ、低カロリーで私達の身体にも様々な効果が期待できる食材です。
それでは、鰻に含まれる主な栄養素とその効果をご紹介します。
【 DHA(ドコサヘキサエン酸) 】
認知症の予防、血中コレステロール値や中性脂肪値の抑制、血行促進作用、がんの予防など
【 EPA(エイコサペンタエン酸) 】
血中コレステロール値や中性脂肪値の抑制、血栓の予防、血行促進作用、動脈硬化の予防など
【 亜鉛 】
代謝促進作用、味覚を正常に保つ作用など
【 鉄 】
貧血予防など
【 カルシウム 】
骨や歯の構成成分、筋収縮や血液凝固に関与する成分
【 ビタミンA 】
視覚維持、粘膜強化、抗酸化作用、がん予防など
【 ビタミンB1 】
血行促進、疲労回復など
【 ビタミンB2 】
脂質や糖代謝に関与するビタミン、抗酸化作用による老化防止作用、粘膜強化、疲労回復など
【 ビタミンD 】
カルシウムの吸収を助けて骨粗鬆症の予防など
【 ビタミンE 】
老化防止、血行促進、抗酸化作用など
その他、あのうなぎ独特の「ヌルヌル」にも健康パワーがあります。それは「ムチン」という成分で、タンパク質の吸収を助け、胃の粘膜保護作用もあり、暑さで弱った胃にも嬉しい効果です。
これらの栄養豊富な鰻を食べて、これからの暑い夏を乗り切りましょう!!