漢方薬と言えば、伝統的な経験に基づく生薬の組み合わせのお薬で、一般的に副作用はないと思われている方も多いかも知れませんが、やはり「お薬はお薬」、副作用はあります。
それでも一般的なお薬に比べると軽度なものが多く、そんなに心配することはありません。
むしろ漢方薬を複数飲用されることによる同じ生薬の過剰摂取に気をつけなければなりません。
食べ物に食べ合わせがあるように、お薬にも飲み合わせがあり、お互いに影響しあって効きすぎたり、効かなくなったりすることがあり、これを「相互作用」といいます。
漢方薬の併用で注意が必要なのは生薬の重複による相互作用です。
その中でも特に麻黄、甘草、大黄などは漢方薬に含まれていることが多いので、重複に注意が必要です。
麻黄には「エフェドリン」が含まれていますので交感神経の興奮作用により、多汗や動悸など精神興奮作用が現れることがあります。
甘草は、漢方薬全体の約2/3に含まれているため重複しやすい生薬ですが、多量に摂取すると偽アルドステロン症や、高血圧症、むくみなどの症状が現れることがあります。
大黄では下痢などの症状が現れることがあります。
また、漢方薬同士の組み合わせだけでなく、一般のお薬との組み合わせにも注意が必要で、例えば麻黄が含まれる漢方薬と一部の抗うつ薬、テオフィリン製剤などとの組み合わせで不眠、発汗過多、頻脈、動悸などの症状が現れることがあります。
甘草が含まれる漢方薬では、利尿薬などとの併用で尿の量が減ってむくんだり、脱力感などの症状が現れることもあります。
このような重複による副作用を防ぐためには、「お薬手帳」を薬剤師に見せてチェックしてもらうことも大切ですが、最近では、お薬手帳をアプリで管理している方も増えています。
お薬手帳をアプリで管理されている方は、アプリを開いて薬剤師に見せることは漢方薬だけのことではなく、とても大切なことです。
次に漢方薬の保管方法についてですが、漢方薬は湿気に弱いですので、湿気の少ない涼しい場所にチャック付ビニール袋などに入れて保管することが望ましいです。
できれば乾燥剤を入れておくとベストです。
服用時間ごとにホチキスでまとめている方は、薬の包装をホチキスで穴をあけてしまうと、湿気を吸いすぎて漢方薬がかたまってしまうこともありますので注意しましょう。
最後に服用時間についてですが、一般的には食事の影響を防ぐためや、経験論に基づいて 「食前、または食間」の空腹時に服用を指示されることが多いですが、胃腸が弱い方や飲み忘れを防ぐために食後に服用を指示されることもあります。
一番大切なことは飲み忘れないようにすることで、飲み忘れに気づいたら次の服用までに3時間程度ある場合はすぐに服用してください。
次の服用時間までに2時間をきっている場合は1回飛ばして次の服用時間に服用しますが、いっぺんに2回分服用することは避けましょう。
今回は漢方薬についてよく質問されるお話をもとに、漢方薬のイロハとしてお伝えさせていただきました。
少しでも参考になれば幸いです。
