今年も残り3ヶ月となる10月になりました、皆様いかがお過ごしでしょうか?
秋の涼しさが心地よいこの季節は、食欲も増してくると思います。
そこで今回は、旬の野菜として「里芋」を紹介いたします。
里芋は、東南アジア原産のタロイモ類の仲間で、主に茎の地下部分(塊茎)を食用としますが、
葉枝も芋茎(ズイキ)と呼ばれ食用とされます。
里芋の歴史は古く、日本へ伝わったのは稲よりも早い縄文時代後期と考えられています。
畑で栽培するのが一般的ですが、奄美諸島以南では水田のように水を張って栽培されているそうです。
里芋の栄養の秘密は「ぬめり」
里芋の主成分は炭水化物(でんぷん)で水分が多く、カロリーはサツマ芋の半分以下なので、ダイエット中の方でも安心して食べられる野菜です。
里芋と言えば独特のぬめりですが、ぬめり成分のひとつであるガラクタンは不溶性食物繊維の
一種で、粘膜の保護やコレステロール低下に効果があります。また、脳細胞を活性化させ、
免疫力を高め、認知症の予防にも良いそうです。ぬめりを取り過ぎると、栄養成分も
なくなってしまうので、茹で過ぎには注意が必要です。そして、里芋に含まれる
シュウ酸という物質の影響で、アルミ鍋を使って里芋を茹でると黒く変色してしまいます。
この対策として、下茹でする際に米のとぎ汁を使うと、里芋のシュウ酸が溶け出して
白く綺麗に仕上がりますので参考にしてみてください。
さらに、漢方では、里芋は肝臓、腎臓を補益するといわれています。
里芋のぬめりの中にはムチンという物質が含まれていて、胃や腸壁の潰瘍を予防し肝臓を強化する働きがあり、たんぱく質の消化吸収を助ける作用や、滋養強壮作用もあります。
さらにムチンには水溶性食物繊維も含まれていて、腸内では善玉菌のえさになることで
善玉菌を増やし悪玉菌を減らしてくれるという働きも期待できます。
また、里芋には、食物繊維とビタミンCが豊富で、便秘の解消や肥満、美容にも効果が
期待できます。
その他、体内の余分なナトリウム(塩分)を排出し、高血圧やむくみを防ぐカリウム、
糖質の分解を助けるビタミンB1、便通を促し、体内のコレステロールや毒素を排泄する
食物繊維などが豊富に含まれています。
美味しい里芋の見分け方と保存方法
さて、せっかく里芋を食べるなら、美味しい里芋を食べたいですよね。
美味しい里芋の見分け方は、洗ってあるものは風味が少なくなっているので、泥付きのものを選びます。
形はまん丸に膨らんでいて、模様がはっきりしているものを選ぶようにしましょう。
里芋の保存は常温で1ヶ月ですが、冷蔵庫はサツマ芋と同じく寒さが苦手なので、
新聞紙に包んで暗所に常温で保存しましょう。
冷凍保存する場合は、皮付きのまま硬めに茹でるか、皮をむいて下茹でして水分を
よく切ってから保存してください。煮物など味付けしたものは、そのまま冷凍保存できます。
調理する際は、解凍せずにそのまま加熱しましょう。
胃腸の調子を整え、食欲も増進させる効果もある低カロリーの里芋は、便秘で悩む方、ダイエットしたい方、
健康を考える方にお勧めの食材です。
この季節、美容と健康のために旬の里芋を積極的に食べてみてはいかがでしょうか!