冬本番の今、寒い日が続くと、鍋料理を食べることも多くなるのではないでしょうか。
そんな鍋料理に使われる野菜の定番の一つとも言えるのが、春菊です。
少し独特の苦味も美味しく感じる春菊は、関西地方では「菊菜」とも呼ばれている野菜です。
中国では古くから漢方でも用いられる春菊は、日本でも健康野菜といわれており、独特な香りで
お鍋の具材や、おひたしなどとしてもよく食べられています。
今回は、そんなお鍋に使われる定番野菜、春菊の健康成分についてご紹介します。
★ 春菊の独特の香りの成分は?
あの春菊の独特の香り成分は、α-ピネンやベンズアルデヒド、リモネンなどの精油成分です。
これらの成分は、自律神経に作用して、胃腸の働きを良くするといわれており、胃もたれ
解消や食欲増進、便秘解消などに良いといわれており、ストレス解消やリラックス効果も
期待できます。さらに、咳を予防する作用や痰(たん)を切る作用も期待される成分です。
★ 春菊の成分といえば、クロロフィル?!
春菊に含まれる特徴的な成分としては、クロロフィルと呼ばれる葉緑素が挙げられます。
このクロロフィルはコレステロール値を下げ、血栓を予防する作用があるほか、デトックス効果や、がん抑制
効果があるともいわれています。
クロロフィルは他の野菜にも含まれていますが、熱に弱いという性質があります。
しかし、春菊に含まれるクロロフィルは、熱に強い特徴があり、調理の過程でも他の野菜に比べて失われにくいので、手軽に摂取することができます。
★ ビタミン・ミネラルもたっぷり!
その他にもβカロテンや、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類、カルシウムやカリウムなどのミネラル類も豊富に含まれています。
中でもβカロテンは、ほうれん草や小松菜よりも多く含まれており、体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を強化してウイルスなど異物に対しての抵抗力を高めるため、風邪や肌荒れの予防や改善に良い作用があります。
また、胃の粘膜の保護や修復にも役立ちますので、胃腸に負担をかけがちな今の時期には嬉しい作用です。
抗酸化作用の強いβカロテンは、ビタミンC・ビタミンEと合わせて、生活習慣病予防にも役立つ成分です。
★ 春菊の調理のポイント
春菊を調理する際には、水溶性ビタミンの損失を避けるため、お鍋やおひたしの場合でも、
長時間茹でるのは避けて、さっとお湯をくぐらす程度で食べると、含まれている栄養分を効率的に
摂ることができます。
香りがあまり気にならないのであれば、生のままで、ごま和えやドレッシングをかけてのサラダと
して食べるのもオススメです。生のままで食べる場合、適当な大きさに切ったあと、少しの間だけ
冷水にひたしておくと、葉がパリッとして食感が良くなりますので、シャキシャキした野菜の食感が
お好みの方は試してみてください。
旬の時期には特に栄養価が高くなりますので、この時季は、おかずのもう一品に加えてみてはいかがでしょうか。