まだまだ暑い日が続いていますが、いよいよ9月。秋はもうすぐそこまで来ています。
秋の味覚は数多くありますが、日本の食卓では定番の食材「鮭」は、産卵時期となる秋から冬にかけてが旬の時期になり、美味しくて健康成分がより豊富になる時期です。
そのため、9月から漁が本格的に始まり、秋から冬にかけて出荷が盛んになります。
今回は、今から本格的な旬を迎える鮭の健康成分についてご紹介します。
★鮭のピンク色は「アスタキサンチン」!
鮭の身はピンク色をしていますが、赤身魚ではなく、実は「白身魚」です。
白身魚なのにピンク色をしているのは、エサとなるプランクトンに含まれる赤い色素の「アスタキサンチン」を多く取り込んでいるため、身が赤色になっているのです。
産卵のために川を遡る鮭は、たくさんの酸素を取り込むので体内で絶えず活性酸素が発生し、筋肉に大きな負担がかかります。その活性酸素を除去するために筋肉中にたくさんのアスタキサンチンを備えていると考えられています。
鮭にとってアスタキサンチンは、抗酸化・抗疲労・抗炎症・免疫強化・持久力強化といった生存のための重要な成分として欠かせない成分だと言えます。
アスタキサンチンの抗酸化力(活性酸素を除去する力)は、同じく抗酸化作用がある成分として知られるビタミンEの1000倍にもなるといわれています。抗酸化作用によって、様々な病気の温床となる活性酸素を減らすことで、生活習慣病の予防などに役立ちます。
さらに、アスタキサンチンは眼精疲労を軽減する他、紫外線の影響を抑えるパワーも優れているので、美容・美肌を気にされる方にも嬉しい成分です。
★お魚成分として定番の「DHA・EPA」も含まれています!
DHAとEPAは血液をサラサラにして生活習慣病予防になる成分としてよく知られていますが、それだけではありません。
血液中の中性脂肪を低下させる作用や、不整脈の抑制、抗糖尿病作用、抗うつ作用、抗ストレス作用、認知機能改善と脳萎縮抑制作用による認知症改善の作用など、多数の作用が報告されています。
さらに、インフルエンザウイルスを抑制するなどの抗ウイルス作用が明らかになっており、現代人が必要としている多くの作用を有している健康成分です。
DHAとEPAは、どちらの成分も体内では合成できない成分ですので、積極的に摂取して、体内のDHAとEPA量を維持するように心がけてみてはいかがでしょうか。
★ビタミンやミネラルも含まれています!
その他にも、コレステロールの代謝促進や肝臓強化に良いとされるタウリン、骨の形成などに役立つカルシウム、ビタミンA、ビタミンB群や、ビタミンD、ビタミンEなどのビタミン類も多く含まれています。
中でも、他の食材に比べて多く含まれているのが、ビタミンB12です。ビタミンB12が減少すると悪性貧血症の原因になる場合もありますので、ぜひ摂りたい成分です。
また、骨のビタミンとも呼ばれ、骨を作るのに必要なカルシウムの吸収を促すビタミンDも豊富ですので、
骨粗鬆症予防にも一役買いそうです。
鮭は朝食の定番メニューとしてだけではなく、アレンジが楽しい食材です。
今からの時季は、さらにおいしく、栄養価も高くなりますから、ぜひ積極的に食べてみてはいかがでしょうか。