いよいよ寒さも本格的になり、ますます温かい鍋料理やお味噌汁などが欲しくなる季節です。
お味噌汁やお吸い物の具材でも定番と呼ばれるものは多くありますが、栄養たっぷりな具材の代表格といえば、しじみではないでしょうか。
今回は、古くから栄養価が高い食材として親しまれてきた、しじみの健康成分についてご紹介します。
★しじみってどんな貝?
しじみは、縄文時代から日本人が食べてきたと言われています。
日本各地の貝塚から、しじみが見つかっていることから、全国的にお馴染みの食材だったと言われています。
江戸時代になると、日本でも翻訳され出版された中国の医学書「本草網目」や「食品国家」には、しじみについて「二日酔いに良い・目に良い・利尿作用がある・脚気によい」など、現代にも通じる効果が書かれていました。
しじみは一年中食べることができますが、本来の旬は1月~2月で、この時季は越冬のため栄養を蓄えることから、特に栄養価が高くなるしじみとして「寒しじみ」と呼ばれています。
★しじみは「生きた肝臓薬」?!
しじみは、昔から「生きた肝臓薬」といわれるほど肝機能に良い作用があると言われています。
まず、しじみの栄養成分でも知名度が高いのがオルニチンです。
オルニチンは、肝臓の働きを助け、疲労回復や美肌効果も期待できる栄養素です。
オルニチンは、肝臓のオルニチンサイクル(尿素回路)と呼ばれるアンモニアを解毒する回路で働き、アンモニアの解毒を促進する作用があります。これにより肝臓の負担が軽減され、今まで解毒に割いていた肝臓の働きを脂質やアルコールの代謝に回すことができるようになり、肝臓の機能が高まります。
また、アンモニアは細胞のエネルギーを作るミトコンドリアの活動も妨げます。オルニチンによってアンモニアが解毒されれば、ミトコンドリアの活動を助け、肝臓だけでなく、内臓や体のいろいろな器官の働きを活発にします。また、しじみに含まれるタウリンも、肝機能保護作用や、血圧や血糖値を抑える働きがあります。
★しじみには他にも栄養成分がたっぷり!
しじみにはその他にも、ビタミンB群、鉄分、カルシウム、亜鉛などが含まれています。
皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きがあるビタミンB2、肩こり・腰痛の緩和にも役立ち、造血にも欠かすことのできないビタミンB12、骨や歯を丈夫にして、イライラを防ぐカルシウム、新陳代謝を活発にして美肌や育毛効果や味覚障害の予防効果がある亜鉛も豊富です。さらに、しじみの身に含まれるたんぱく質やレクチンなどは、肌や喉を強くしたり、免疫力の強化なども期待できます。
★しじみの「身」は食べていますか?
お味噌汁やお吸い物にしじみが入っていた場合、身が小さいからといって、食べずに残していませんか?
しじみに含まれる栄養素は、味噌汁やお吸い物に溶け出していますが、全てが溶け出しているわけではありません。
しじみの身にも、しっかりと栄養素が残っていますので、身の部分も食べることで、しじみに含まれる栄養素を全て摂ることができます。
身までしっかり食べて、しじみの栄養をたっぷり摂って、冬を元気に乗り切りましょう!