2月4日は立春で暦の上では春となりますが、まだまだ本格的な寒さが続いています。
寒い時季に食べたくなる鍋料理に入れる定番の魚のひとつが、ふっくらした白身が特徴の鱈(タラ)ですね。
身がほぐしやすくて小骨も少ないため食べやすく、さっぱりとした味で色々な味の鍋に入れてもおいしくいただけます。
今回は、そんな鱈の栄養成分についてご紹介します。
★鱈に含まれるうま味成分、イノシン酸とグルタミン酸
鱈は日本だけでなく、比較的寒い地域を中心に世界中で食べられている魚です。
鱈は切り身などで料理に使われるだけでなく、卵巣を塩蔵したタラコとして食べられたり、干し鱈として加工
されたり、鱈のすり身を使って珍味やかまぼこなどの色々な加工食品が作られています。
そんな鱈のうま味成分として多く含まれているのが、イノシン酸とグルタミン酸です。
鱈はうま味成分を多く含んでいるためうま味を強く感じることができ、薄い味付けでもおいしく食べられます。
鍋などで煮込むとうま味成分が溶け出し、一緒に煮込む他の食材もおいしく食べられるようになるため、鍋料理などでよく使われます。
これらの成分は、細胞の生成には不可欠な成分で、不足すると新しい細胞が生成されなくなるため、老化の温床となりますので、ぜひ摂りたい成分です。
★鱈に含まれるレチノール(ビタミンA)も冬に嬉しい成分
少し聞き慣れない成分ですが、レチノール(ビタミンA)という成分も含まれています。
このレチノールには目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めたり、発育を促進する働きがあります。
特に、目の明暗を感じるのに必要になるのが、レチノールなどのビタミンAです。
目の網膜にあるロドプシンは、「見る」ために不可欠な神経伝達物質ですが、その材料になっているのがビタミンAで、不足すると暗い場所で物が見えにくくなることがあります。
レチノールには、口や咽喉の粘膜を丈夫にする働きがありますので、風邪などのウィルスが気になる今の季節にはうれしい成分です。
さらに、レチノールには肌荒れを防ぐ効果もあるといわれています。
★鱈には他にも栄養成分がたっぷり!
その他にも、ビタミンやミネラル類が多く含まれています。
ビタミンDは、体内でカルシウムとリンの吸収を高め、血中でカルシウムとリンのバランスを調節してくれます。
そのため、骨粗鬆症や虫歯を防ぐはたらきがあると言われています。
ビタミンEは、活性酸素を抑え、動脈硬化や脳梗塞、がんの予防に働きかけます。
また、味覚障害を予防する働きや強精、強壮効果があるといわれている亜鉛も豊富に含まれているほか、血中コレステロールを下げ、交感神経を抑制して高血圧を改善し、心臓の機能を良くするタウリン、肝臓の解毒機能を助けるグルタチオンなども含まれています。
そして、鱈は脂肪分が少なく、たんぱく質が多いため、ダイエット食としても注目されています。
鱈はうま味成分がたっぷりで食べ応えがあり、胃腸を温め、血行を良くし、冷え性・風邪予防・疲労軽減など冬に嬉しい作用がたくさんあります。
鱈は比較的安価で手軽に食べることができ、鍋に入れるも良し、西京焼やムニエルなどのような焼き魚としても良いですし、棒鱈やかまぼこなどの加工食品でも美味しく食べることができます。
健康にも良い食材として日ごろの食卓に加えてみてはいかがでしょうか。