アルツハイマー病に関連する異常なたんぱく質が脳に蓄積している人は、認知機能に異常がなくても学習効果を発揮できないとする研究結果を、東京大教授の岩坪 威たけし さん(神経病理学)らのチームがまとめた。アルツハイマー病の早期発見と治療につながる可能性があるという。
調査は2008~14年、認知機能が正常な60~84歳の男女154人に実施。19人の脳で、アルツハイマー病患者にみられる異常たんぱく質「アミロイド βベータ 」の蓄積が確認された。
アミロイドβに加え、もう一つの異常たんぱく質「リン酸化タウ」が増えている患者は、植物や動物の名前を挙げさせる検査の点数が良くなかった。
いずれも、学習効果の喪失が原因とみられる。
今回の結果を受けて、岩坪さんは「潜在的な認知機能の障害を判定する新たな基準を作り、早期の診断と発症予防につなげたい」と話している。
(2019年1月7日 読売新聞)