「レビー小体」っていう言葉を聞いたことはありますか?
聞きなれない言葉かも知れませんが、もしかすると「レビー小体型認知症」と言えば、聞いたことがあるという方もいるかも知れませんね。
レビー小体型認知症は、国内ではアルツハイマー型認知症に次いで多い疾患だからです。
レビー小体は、1912年に神経学者のフリードリッヒ・レビーによって、パーキンソン病患者の脳から発見された物質ですが、本年3月に放映されたNHKの情報番組「ためしてガッテン」でも「神経細胞にたまるゴミ」として紹介されていました。
そう、レビー小体の正体は、「神経細胞にたまるゴミ」なのです。
その「神経細胞にたまるゴミ」の構造は、主にαシヌクレインというタンパク質が集まった凝集体で、その他にも約90種類ほどのタンパク質が凝集していると考えられています。
しかし、その複雑な構造は未だに解明されていないというのが現状です。
レビー小体が神経細胞にたまると、周りの神経細胞にも障害が出てきて働きが悪くなってしまいます。例えば、自律神経失調をおこし、頭痛や立ちくらみ、便秘や排尿障害、臭覚障害など様々な症状が現れてくることもあります。
「ためしてガッテン」では、「レビー小体」がかかわる恐ろしい病気が二つ知られているので、「レビー小体」いう言葉をぜひ覚えてほしいと訴えていました。
その理由のひとつは、レビー小体が大脳にたまった時に現れる「レビー小体型認知症」、もうひとつは、ドパミンを分泌する細胞にたまった時に現れる「パーキンソン病」の原因になるからです。
パーキンソン病は、60歳以上の100人に1人が発症すると言われる脳の難病ですが、その原因は神経伝達物質のドパミンを分泌する神経細胞が死んでしまってドパミンの分泌量が減ることにより発症します。
この神経細胞が死んでしまう原因がレビー小体の蓄積と考えられています。
従って、レビー小体が神経細胞のゴミとしてたまらないように常にお掃除ができれば、これらの病気も予防できると考えるのが自然です。
しかし、残念ながら現時点ではそのようなお薬は開発されておらず、まだまだ研究段階の分野です。
一方、最近になって「PQQ」という成分がレビー小体の主な構造物質であるαシヌクレインの蓄積を抑制する可能性を示唆する研究報告があります。また、勝手な想像にすぎませんが、今話題のHSP(ヒートショックプロテイン)が、非可逆的と考えられていた加熱して固まった卵白をもとに戻すように、HSPはもしかすると神経細胞にたまるゴミと言われているレビー小体という異常なタンパク質をきれいにしてくれる可能性も否定できません。
今後のこれらの分野の研究の発展に大いに期待したいところです。
これを使ってパーキンソン病やレビー小体型認知症を改善するとはもちろん言えませんが、PQQはレビー小体の主な構造として知られているαシヌクレインの蓄積抑制についての研究がなされていることや、健康との関係が徐々に明らかになり注目されているミトコンドリアの新生・増加作用、抗ストレス作用、睡眠障害改善作用、神経成長因子増加作用、寿命延長作用など、様々な研究がなされていますので、PQQを含有するサプリメントを摂取することは、健康長寿に役立つかもしれませんね。