肺がんの中でも進行が早くて治りづらく、再発率も高い「小細胞肺がん」で、増殖に関わるたんぱく質の合成を抑制する物質を開発したと、大阪大などの研究チームが英科学誌で発表した。人の肺がん細胞を移植したマウスに投与し、がん細胞が死滅することを確認した。チームは治療薬開発に向け、大型のラットで効果と安全性を確認するという。
たんぱく質の「SRRM4」が関わってがん細胞が増殖し、抗がん剤に対する耐性を持つなど悪性化することが知られている。耐性を持つと治療法がなく、完治が困難になる。
このたんぱく質の合成の前に作られる伝令RNA(mRNA)に結合し、分解を促す物質(核酸)を作製。マウスの実験では、がん細胞を8割程度死滅させられた。
(2019年7月5日 毎日新聞)