7月に札幌で開催された「統合医療機能性食品国際学会 第27回年会」において、アスパラガス抽出物の最新の研究結果が報告されました。
今回は、その一部についてご紹介いたします。
アルツハイマー病モデルマウスを用いた研究では、アスパラガス抽出物摂取マウスは、コントロール群と比較して認知機能低下が有意に抑制され、脳内のアミロイドβ蓄積が抑えられて神経保護作用を有することが確認されました。
また、日本医療大学認知症研究所の認知症患者に対するアスパラガス抽出物の臨床効果については、現在は結果の解析中としながらも、認知機能そのものに一定の効果があることが推測されることを報告しています。
さらには、マウスを用いた研究になりますが、正常マウスにアスパラガス抽出物を与えた場合でも、神経および認知症関連遺伝子が動くことが分かり、このことは、健常者の認知症予防に対する効果が期待できるものと推測されます。
このように、アスパラガス抽出物は、現在では主に認知症の予防や治療に対して研究が中心となっていますが、アスパラガス抽出物のHSP(ヒートショックプロテイン)の誘導作用を考えると、睡眠の質の改善や抗ストレス作用、抗うつ作用や胃炎・胃潰瘍改善作用など、健康維持に有用な研究結果が揃ってくる可能性があると思われます。