この度、国立がんセンター予防研究部の武藤倫弘先生が日本酸化ストレス学会の学会誌「Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition」に投稿した論文が掲載されました。
先生方もご存知のとおり、活性酸素は酸化ストレスによって発がんに寄与することが知られています。一方、NF-E2p45関連因子2(NRF2)の活性化は様々な抗酸化酵素を誘導し、発がん予防に重要な役割を果たすと考えられています。
そこで、AHCCのNRF2に対する影響を確認したところ、AHCC処理細胞におけるNRF2転写活性は未処理細胞よりも12倍以上も高まっていました。
さらに、家族性大腸腺腫瘍のモデルマウスであるMinマウスにAHCCを与えたところ、腸ポリープ部分における炎症性サイトカインIL-6が抑制され、腸ポリープの総数も有意に減少していることがわかりました。
このことは、AHCCがNRF2を活性化することを介して細胞の酸化ストレスを抑制し、Minマウスにおける腸ポリープ発生を低下させたことを示唆しています。
この度の報告は、AHCCのがん予防について検証された貴重な研究結果と考えられます。
この研究内容については、統合医療機能性食品国際学会 第27回年回でも発表されています。