4月26日は、良(4)い風呂(26)の語呂合わせで、良い風呂の日に制定されています。普段から何気なく行なっている入浴ですが、健康面から見てお勧めの入浴方法と気をつけたいポイントをご紹介します。
★だから入浴は健康に良い!
●温熱効果
皮膚の毛細血管や皮下の血管が広がることで、全身の血流が促進されます。
そして自律神経の副交感神経系が優位になり、筋肉や関節組織が弛緩する効果やリラックス効果が得られます。
また、体温が上がることで体内のHSP(ヒートショックプロテイン)が多く産生され、免疫力アップ、抗ストレス、睡眠の改善、脳の老化予防、抗疲労など、健康面で様々な良い作用が期待できます。
●静水圧効果
動かない水のなかで身体に働く水の圧力のことを「静水圧」と言います。お風呂に入ると「ふぅ〜」と息がもれることがあります。これは、お腹やお尻が水圧で縮む静水圧によるもので、全身への穏やかなマッサージ効果を生みます。
この作用により、手足の血管や腹部の内臓などが刺激を受け、全身の血行改善やむくみ解消などに役立ちます。
●浮力の作用
湯船に浸かったときに身体が軽く感じられるのが浮力です。水深により影響は異なりますが、首まで浸かった場合は体重が約10分の1になるとされています。全身を支えていた関節や筋肉が重みから解放され、浮遊感によるリラックス効果も期待できます。
★入浴で注意したいポイント!
健康面では良いことが多い入浴ですが、入浴方法によっては、逆に健康面に負荷をかけることにもなります。
●特に気温が高くなるこれからは、入浴時や入浴後の脱水に要注意!
入浴時は体温が上がり浴室内も温度が高いため、発汗が促進されます。適度な発汗は健康に良い作用がありますが、知らないうちに汗をかきすぎてしまうと、脱水症状につながることもあります。特に夏は、入浴前と入浴後に水分補給を心がけましょう。
●42℃を超えるお湯は要注意!
42℃を超えるお湯に浸かると交感神経の働きが活発になり、興奮状態となることで血圧が上昇します。
また発汗量が増えて血液の粘土も上がるため、血栓が出来やすくなるなど場合によっては重篤な危険につながる場合があります。副交感神経が刺激され、心身ともにリラックスさせる40℃くらいの温度がお勧めです。
●長風呂は身体を乾燥させるので要注意!
長めの入浴はお肌をしっとりさせる、と思われがちですが、実は逆に肌の乾燥につながる場合があります。
長時間の入浴で皮膚表面のバリア構造が崩れてしまったり、毛穴が広がり水分が流出することで、結果として肌の水分量が減少することもあります。入浴時間は15分程度までにして、入浴後は保湿ケアをしっかりと行なうようにしましょう。
★毎日の入浴は要介護リスクが低くなるという調査結果も!
2018年に発表された、65歳以上の男女約1万4千人を対象に行なった千葉大学による調査では、「1週間に7回以上、湯船に浸かる人は週2回以下の人に比べて要介護認定のリスクがおよそ3割低くなる」という結果が出ました。
また、元気な中年期以降の人を対象にアンケート調査を行った結果、1年を通して平均で週5回以上の入浴習慣が、動脈硬化や心機能に好影響を及ぼす事が分かったという事です。
日本人の長寿にも影響がありそうな入浴習慣。身体に負荷を掛けないような入浴方法を心がけて、心身ともにリラックスできる入浴を習慣にして、健康長寿につなげましょう。