厳しい暑さが続くと、食欲がなくなったり体力低下によって、夏バテを感じる人も多いのではないでしょうか。
そんな時は栄養価が高く、食べやすいものを食べて元気を取り戻したいものですよね。
この時季の栄養補給にお勧めの夏野菜の一つが枝豆です。枝豆は大豆だけあって、栄養価は高いということはよく知られています。そして枝豆と言えばビールのお供の定番ですが、実はビールと枝豆の組み合わせは、理にかなった組み合わせなのです。
今回は、そんな枝豆の健康成分についてご紹介いたします。
★古くから食べられてきた枝豆は今や世界に進出!
枝豆は、大豆の未成熟な豆のことを指し、完熟すると「大豆」になります。
つまり大豆が未熟な緑色の状態のときに収穫したものが枝豆です。
縄文時代の遺跡から大豆が発見されていますが、枝豆として食べられるようになったのは、奈良あるいは平安時代ごろではないかとも言われており、江戸時代の中期の文献にも枝豆を食べたという記述が残されています。
枝豆は古くから庭先やあぜ道に栽培していたことから、「畦豆(アゼマメ)」と呼ばれていました。
その後、枝付きのまま売られ、食されていたことにより、「枝付き豆」と呼び、それが「枝豆」へと呼び方が変化したとされています。
枝豆は、日本食ブームや冷凍技術の普及により、2000年頃からは欧米でも食べられるようになり、健康志向の高まりもあって、「EDAMAME」として人気を得ています。
★元気になれる枝豆の健康成分とは
枝豆は大豆と野菜の特徴を持ち合わせる栄養たっぷりの食品で、タンパク質や食物繊維の他、ビタミンB1、B2、ビタミンCなどのビタミン類や、カルシウムやリン、鉄分などのミネラルも豊富に含まれています。
食物繊維は糖質の吸収速度を緩やかにし、血糖値の上昇を抑える効果や腸内環境と便通改善の効果も期待できます。ビタミンB1とB2は体内で糖質・脂質・たんぱく質などを分解してエネルギーに変える効果があります。
また、一般的な夏野菜にも多く含まれ、身体を冷やすといわれるカリウムも含まれています。
カリウムは体温を下げて熱中症の予防につながるほか、塩分の排出と利尿作用を促し、むくみの解消や高血圧の予防にもつながります。
エネルギーの産生を増やし、ビタミンやミネラルなども豊富な枝豆は、夏バテの原因である食欲不振から来る栄養不足の解消や、疲労回復に効果的な食べ物だと言えるのではないでしょうか。
★「お酒のお供に枝豆」には理由があった!
枝豆のタンパク質にはメチオニンという成分が含まれています。
メチオニンはビタミンB1、ビタミンCと共にアルコールの分解を促して、肝機能の働きを助ける作用が期待できますので、飲み過ぎや二日酔い防止には良い食品といえます。
さらに、枝豆にはオルニチンも含まれています。オルニチンといえば、しじみに含まれていてアルコールの分解機能を助ける成分としてご存じの方も多いのではないでしょうか。枝豆の中でも、茶色い産毛が特徴のだだちゃ豆は、オルニチンが特に多く含まれています。メチオニンとオルニチンが含まれているので、枝豆をビールと一緒に食べるのは理にかなった組み合わせというわけです。
ただし、食品で補っても限界はありますので、飲みすぎに注意するのは言うまでもありません。
夏場は疲れや暑さで食欲が落ちやすく、摂取する栄養も少なくなりがちです。枝豆は手軽で食べやすく、栄養価も高い食材ですので、たくさん食べて、夏を元気に乗り切りましょう!
なお、枝豆は大豆であることには変わりありませんので、大豆アレルギーの方は注意してください。