世界で最も罹患率や死亡率が高いと言われている肺がんの発症メカニズムは、インターロイキン6(IL-6)、インターロイキン8(IL-8)などの炎症性サイトカインを調整するNFκBが関与されていると報告されています。
一方、大阪市立大学大学院医学研究科呼吸器内科学の浅井一久准教授らの研究グループでは、ダイゼインリッチなアグリコン型イソフラボン(DRIA)が、炎症性サイトカインの上昇を抑制することにより、COPD(慢性閉塞性肺疾患)による肺気腫を予防できる可能性があることをすでに報告していることから、DRIAの肺がん細胞増殖抑制メカニズムにNFκBが関与しているかどうかを調べた結果、DRIAは用量依存的に肺がん細胞の増殖を抑制することや、TNF-αによって誘導されるIL-6、IL-8レベルも用量依存的に減少し、その減少はNFκB-p65のたんぱく発現とがん細胞増殖マーカー(Ki-67)を抑制することが確認され、DRIAによる肺がん細胞増殖抑制メカニズムもまたNFκBの関与による炎症性サイトカイン抑制によるものであることがわかりました。
ダイゼインリッチなアグリコン型イソフラボン(DRIA)は、これまでにも
(1)不妊治療への有用性
(2)メタボリックシンドロームへの有用性
(3)乳がん・前立腺がん細胞の増殖抑制作用
(4)更年期症状(ホットフラッシュ・不眠等)の緩和作用
(5)子宮内膜症の抑制効果
(6)筋委縮抑制効果
(7)LDL-コレステロール低下作用
(8)前立腺肥大抑制効果
(9)美肌効果(シミ・しわの抑制効果)
(10)骨粗鬆症予防・改善作用
など、多数の研究成果が報告されています。