通常、ビタミンといえば食事から摂取するしか補えませんが、ビタミンDは食事以外に、約20分程度のウォーキングなどで日光に当たることで、十分なビタミンDを合成できるため、他のビタミンと比べるとどちらかといえばあまり注目されていなかった印象がある一方で、最近、今まであまり知られていなかったビタミンDの有用性が次々と明らかにされ、様々な病気の予防や治療にビタミンDが注目されるようになってきました。
ビタミンDといえば、骨代謝に重要な役割を果たしており、特に高齢者の方には重要なビタミンであることは誰もが知っていることと思いますが、ビタミンDの有用性はこれだけではありません。
以下に、今まで論文に掲載されている内容を中心に、ビタミンDに関する報告の一部をご紹介させて頂きます。中にはエビデンスに乏しいものもありますので、「ホンマでっか?!」な気持ちで気軽にお読みください。
<ビタミンDの有用性>(順不同)
1、免疫機能調整作用(かぜ、インフルエンザ、肺炎、がん、感染症予防などに有用) 夏場にインフルエンザが減少するのは、太陽光に当たる確率が冬場に比べて多く、ビタミンDの血中濃度が高くなるからという説もありますが、さすがにこれは・・・?
しかし、それぐらいにビタミンDは重要であるということでしょうか。
そういえば、がん患者さんに対する新免疫療法で、ビタミンDをはじめとする総合ビタミン剤の摂取が重要とおっしゃる医師もあり、実際に良い結果報告もあります。
2、骨粗しょう症の予防と治療
3、ビタミンD不足の高齢者は、日常生活に支障をきたす可能性が高いという報告
4、アルツハイマー病の方は、ビタミンD濃度が低い方が多いという報告
5、ビタミンDの摂取は、パーキンソン病を改善する可能性があるという報告
・・・等々。
このようにビタミンDは、様々な疾患の予防と治療に有用であることが示唆されていますが、さらに「新型コロナウイルス」についても、パンデミックのリスクを軽減するためにも血中ビタミンDのレベルを上げておくことも重症化を防ぐために有効であるという説があり、いくつかの文献でも紹介されています。
特にインフルエンザが流行する冬場にはビタミンDを含む食品をしっかり摂取すること、さらには日光浴を積極的に行うことも大切かもしれません。