医師から漢方薬を処方された方はご存知と思いますが、漢方薬はほとんどの場合、「食前」や「食間」に服用するように指示があります。何気なく、言われたとおり服用していますが、「何故」?と改めて聞かれると・・・?
今回は、そんな漢方薬の身近な疑問にお答えいたします。
Q、漢方薬は「食前」または「食間」に服用することが多いのは何故ですか?
A、医療機関で処方される漢方薬は、ほとんどの場合「食前」または「食間」に服用するように指示されています。
その主な理由として、次の2つが考えられています。
(1)漢方薬の中には、その成分の化学構造で糖が結合した形の「配糖体」と呼ばれる成分を含み、腸内細菌の作用で「配糖体」の糖がはずれて腸から吸収されやすいようになりますので、腸内細菌の働きが活発な「食前」や「食間」が服用時点として適しているといわれています。
(2)胃酸のpHによって「アルカロイド」という成分に吸収の差が出ると考えられています。「アルカロイド」は非常に強い作用を及ぼすため、吸収が良すぎると「アルカロイド」の作用が強く現れます。
「食前」や「食間」の胃内のpHが低い状態では、「アルカロイド」の消化管吸収が抑制されるためにこの服用時間が推奨されています。
一方で、専門家の間でも「食後」服用と「食前」や「食間」服用と比較して効果に差がないという意見もあり、西洋薬との併用で飲み忘れなどをなくすため、あるいは胃腸への刺激による副作用(食欲不振・胃部不快感・下痢など)を抑えるためにも「食後」服用でも良いという意見もあります。
つまり、指示された時間に飲み忘れたら、食後でも食間でもすぐに服用しても差し支えありません。
Q、効果的な飲み方はありますか?
A、漢方エキス剤は、複数の生薬から煎じた液を顆粒または細粒にしたものですから、そのまま水で服用すれば良いことになっています。
しかし、本来は煎じ薬で服用すべきものをエキスにしていますので、お湯に溶かして服用したほうが効果が期待できると考えられています。
また、お湯で溶かすことによって「香り効果」もお薬の効果に影響を及ぼすといわれています。
そのまま服用する場合でも、やけどしない程度のお湯で服用するのが良いといわれており、漢方薬の成分との反応を避けるため、お茶やジュース、牛乳などで服用することは避けたほうが良いでしょう。
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