そろそろ真冬の寒さから少しずつ春に向けて季節の歩みを感じられる季節になってきました。
季節が変わると、旬の食材も変わりますが、今回はこれからの季節が旬となるニラをご紹介します。
ニラは、摘んでもすぐに芽が出てくるという生命力の強い野菜で、健康に良い野菜として親しまれてきました。
最近では、餃子や鍋物、炒め物など時期を問わずに料理に使われるニラですが、本来は3月から5月頃にかけての時期が旬です。中でも、春のニラは柔らかくて美味しいと言われていますので、そんなニラの健康パワーをご紹介します。
★ニラの独特の香りは健康にGood!
ニラと言って思い浮かべるのは、あの独特の香りではないでしょうか。ニラの香りは、にんにくにも含まれている「アリシン」という栄養成分によるものです。
アリシンは、殺菌作用や血液をサラサラにする効果があり、動脈硬化の予防などに有効だとされています。
また、アリシンはビタミンB1と結合すると、アリチアミンという物質になり、ビタミンB1の吸収率をアップさせ、その効果を持続させるので、疲労回復力を高める働きがあります。そのため、ビタミンB1の豊富な豚肉やレバーなどと一緒に調理すると、とても効果的です。ニラ料理の定番ともいえる「レバニラ炒め」は、効率良くビタミンB1を摂取できる料理といえます。
さらに、アリシンには胃液の分泌や発汗など代謝を良くするという働きもあります。このため、ニラを多く食べることにより、消化を助けたり冷え性や神経痛などの改善にも効果があります。
★ニラはビタミン類も豊富
ニラは、βカロテン(ビタミンA)、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類がバランス良く含まれているのも特徴です。
βカロテン(ビタミンA)は皮膚や粘膜を正常に保ち、外部からのウィルスの侵入を防ぎ、免疫力を高めます。
ビタミンB群は、糖質(炭水化物)や脂質からエネルギーを作ったり、たんぱく質を材料にして、皮膚や筋肉、骨、ホルモンなどを作る栄養です。
もしビタミンB群が不足すると、疲労感やだるさ、子供の成長障害、肌荒れ、神経障害などが起こってきます。
ビタミンCは、白血球の働きを活発にして免疫力を高め、抗ガン作用もあるといわれています。また、コラーゲンの合成を助け、丈夫な体の組織を作ったり、ストレスに対抗するホルモンを作ることも知られています。
そしてビタミンEは、抗酸化作用があり、血行を良くして、血管に血栓ができるのを防ぐ栄養成分です。
さらに、カルシウムもほうれんそうと同じくらい含まれており、鉄・カリウムなどのミネラル成分も豊富ですので、成長期の子供や妊婦の方、中高年の方にぜひお勧めしたい食材です。
★ニラの栄養をしっかり摂れる食べ方とは
ニラの特徴的なにおいの成分であるアリシンは、白い根元部分に多く含まれています。
アリシンは細胞が壊されて、酸素に触れることで効果を発揮する成分です。
そのため、アリシンのパワーを最大限に発揮するには、根元を細かくみじん切りにすると、アリシンを効率よく摂ることができます。
また、色の濃い葉の上部には、抗酸化作用を持つビタミンA・C・Eが含まれていますので、ビタミン類を多く摂りたい場合は、緑の葉の部分がお勧めです。
ただ、アリシンやビタミン類は、あまり加熱に強くありません。栄養を摂る、ということから考えると、電子レンジを使うなどして、加熱時間はなるべく短くするのをお勧めします。
最近では健康食材としてニラが注目され、ニラを使った料理のレシピは、定番のニラレバ炒めやニラ玉だけでなく、様々なジャンルの料理が紹介されています。
色々な方法で、今からが旬のニラを楽しんでみてはいかがでしょうか。