暖かくなってくると、色々な食材が旬を迎えます。春に旬を迎えるものとしては、野菜や果物などが注目されがちですが、アサリやハマグリなどの貝類も、これからの時季が旬になります。
例年、3月頃から初夏にかけては全国的に潮干狩りが行われる時季ですが、それもアサリやハマグリなどが旬を迎える時季に合わせて行われています。
今回は、そんなアサリの健康パワーをご紹介します。
★アサリは昔から日本人に愛されてきた
日本の歴史上、あさりほどたくさん食されてきた貝類はないのではないでしょうか。
縄文時代や弥生時代に作られた貝塚は日本各地に存在し、その中にはアサリもたくさん含まれています。
古来より日本人にとって、非常に親しみのある食材であり、重要なタンパク源であったことがうかがわれます。
最近の研究では、貝塚の貝殻の量が、暮らしていた人々が食べるにしては多すぎることから、海のない内陸地域への土産、あるいは物々交換品として、塩と一緒に運ばれていたのではないかと言われています。
アサリは、お味噌汁はもちろん、酒蒸しやバター炒め、ラーメンやパスタ、クラムチャウダーなどのスープ類など様々な調理法があり、日本人にとっては最も馴染みのある貝と言えるのではないでしょうか。
★アサリは低脂肪・高たんぱくで栄養成分も豊富
アサリには、動脈硬化予防、眼精疲労緩和、肝機能強化、高血圧予防、貧血予防、食欲増進があると言われています。カルシウム、マグネシウム、鉄分などビタミン、ミネラル類を多く含み、旨味のもとである「コハク酸」という有機酸に富んでいます。あさりは帆立貝に次いでコハク酸が多く、調理上で「出汁」が不要です。
また魚のカレイ、ヒラメ並みに低い脂肪分と高いたんぱく価が魅力です。
●ビタミンB12が貝類で最高の含有量
体内で合成できないビタミンB12は、アサリにも含まれる葉酸とともに赤血球の生成をサポートしてくれます。
ビタミンB12はレバーや卵にも多く含まれますが、あさりはレバーや卵に多く含まれているコレステロールが少なく安心して食べることができます。疲労回復や悪性貧血に有効なビタミンB12は水に溶けやすいので、みそ汁のなどの場合は、汁まで飲みましょう。
●タウリンは動脈硬化や高血圧の方にもおススメ
タウリンは、アミノ酸の一種で、動脈硬化に有効とされ、血液中の余分なコレステロールを排出して血液の流れをサラサラにし、動脈硬化を予防する働きや高血圧の予防に効果的があると言われています。また、肝機能を高めたり心臓を強くする働きがあるだけでなく、糖尿病を防いだり疲れ目を改善する効果が期待できます。
タウリンを含んだドリンクのCMなどでおなじみの、疲労回復効果もあります。
●ミネラルもたっぷり含まれています
アサリには、鉄分、亜鉛、カリウム、カルシウムなどのミネラル分も豊富に含まれています。
鉄分は、増血作用があり、貧血解消に役立ちます。不足している状態が継続すると、悪性貧血、神経疾患などを起こすこともあります。
亜鉛は、肌や髪、爪の健康を保つ働きがあります。近年では亜鉛不足による味覚異常のある方も増えてきていますが、亜鉛には味覚を正常に保つ効果も期待できます。
カリウムは、身体の中にある余分な水分を排出する働きがあり、むくみの解消が期待できます。
また、余分な塩分(ナトリウム)を排泄する作用もあるため、高血圧の方にオススメです。
カルシウムは、骨や歯を丈夫にするだけでなく、骨粗しょう症の予防効果が期待できます。
アサリは貧血予防や疲労回復、むくみ解消、美容、肝機能アップなど、様々な健康効果をもたらしてくれます。
ぜひ旬のアサリを食べて、初夏の味覚を楽しみながら健康管理に役立ててみてはいかがでしょうか。