「寝ても疲れが取れない」、「何もする気にならない」、「なんとなくしんどい」など、体調がすぐれないことってありませんか。
これらの症状で受診したとき、その原因が特定できずに「不定愁訴」と診断される場合もありますが、その原因は「慢性炎症」が関与しているかもしれないということが最近の研究で明らかになりつつあります。
「炎症」といえば、一般的には「急性炎症」のことを指す場合がほとんどです。
一方「慢性炎症」は、何らかの病気が見つかるまで気づくことがない場合が多いことから、「サイレントキラー」とも呼ばれています。
通常、体内での炎症の有無を確認するために、「CRP」という血液検査の数値で判定します。
基準値は検査会社によっても多少異なりますが、0.5以下となっています。
体内で急性の炎症症状がある場合は、0.5より高くなります。
一方、慢性炎症の場合、CRP検査では0.5以下ですので、見逃されてしまうことが多く、慢性炎症をみつけるためには、「高感度CRP検査」を実施する必要があります。
「高感度CRP検査」は、その名の如く通常の検査では測定できないところまで詳細に検査できます。
慢性炎症は、万病のもとと言われ、「がん」、「糖尿病」、「脂肪肝」、「認知症」、「肥満」、「慢性疲労」、「うつ病」、その他の多くの病気と関係があり、腸内から起こった炎症が生活習慣病につながっていくことから、腸内環境を整えて腸内の慢性炎症を抑えることは健康を維持する上で大切と考えられます。
ところで、「慢性腎臓病」も慢性炎症が原因となっていると言われていますが、最近のホットな話題として、麹菌発酵大豆培養物含有サプリメント「イムバランス」の摂取で、慢性炎症を抑え、「慢性腎臓病」に有用である可能性を示唆する論文が発表されました。
「慢性腎臓病」は、末期腎不全に至るリスク因子のひとつで、日本腎臓学会のガイドラインによれば、我が国の成人人口の約13%が「慢性腎臓病」と言われており、腎臓透析を実施している人口は、2017年現在でなんと33万人を超えていると報告しています。
未だに「慢性腎臓病」の治療法が確立していない中、麹菌発酵大豆培養物含有サプリメント「イムバランス」が、炎症性サイトカインなどの各種の血中バイオマーカーの有意な抑制、腸内細菌叢の改善などにより「慢性腎臓病」の発症及び進行を有意に遅らせる可能性があることを示唆する結果が得られたことは明るい情報のひとつと考えます。
今まであまり注目されていなかった「慢性炎症」ですが、今後の健康長寿のキーワードとして、ミトコンドリアやHSP(ヒートショックプロテイン)とともに、もっと注目されるようになってくるかもしれません。