いよいよ今年も夏を迎える時季になりました。近年は猛暑が続くこともあって、熱中症や酷暑など辛い印象もありますが、美味しい夏野菜が旬を迎える時季でもあります。
定番の夏野菜の一つ、ナスも夏の暑い時期に旬を迎えますので、味も良くなり栄養価も高くなります。
今回はナスの健康成分についてご紹介します。
★ナスの健康に良い成分は少ないの?
100gあたりに含まれているナスの栄養成分を調べてみると、90%以上が水分でエネルギーも20kcalと低いため、健康に良い成分も少ないと思われがちですが、ナスにもさまざまな健康に良い成分が含まれています。
【 ナスニン 】
ナス特有のポリフェノールの一種としてよく知られている「ナスニン」は、ナスの皮に多く含まれています。
これはアントシアニン系の色素でナスを鮮やかな紫色にしています。強力な抗酸化作用があり、免疫機能の低下や様々な病気の温床や老化の原因にもなる、活性酸素を取り除く効果があるとされ、眼精疲労にも良いことが分かっています。
【 カリウム 】
ナスにはカリウムが比較的多く含まれています。カリウムは浸透圧に影響する成分で、ナトリウムとのバランスを保っています。塩分の吸収を抑制して尿への排泄を促すため、むくみの解消や血圧を下げる効果があります。塩分を摂り過ぎたときは、カリウムを摂ることで体内の塩分濃度をコントロールすることをおすすめします。
【 食物繊維 】
食物繊維が多いのもナスの長所です。食物繊維は腸の働きを良くして有害物質の排泄を促す「不溶性食物繊維」とコレステロールや血糖値の上昇を抑えたり腸内環境を整える働きをする「水溶性食物繊維」があり、ナスにはどちらの食物繊維も豊富に含まれています。
この他にも、ナスには葉酸やカルシウム、鉄分なども多く含まれています。
★ナスの健康成分を逃がさない調理のポイントは?
ダイエット食材や健康食材としても魅力的なナスですが、栄養価を保ったまま調理することが難しいと言われていますので、なるべく栄養価を落とさない調理のポイントをご紹介します。
【 皮ごと調理 】
ポリフェノールをはじめとしたナスの健康成分は皮に偏っているので、焼いたり炒めたりする際も皮ごと調理するようにしましょう。また、アントシアニン系色素の一種であるナスニンは水溶性なので、調理方法によっては栄養が減ってしまいます。
例えば、ナスを切ってから水にくぐらせると、これらの成分が水に溶けて流れ出てしまいます。特にアク抜きのためにナスを水にさらすときは長く浸け過ぎないようにして、健康成分が流れ出ないように気をつけましょう。
【 油で調理 】
ナスは油との相性が抜群ですので、油を使う焼き料理がおすすめです。
油で切り口をコーテイングすることで成分が流れ出るのを防げるため、ナスニンなどの栄養を比較的留めておくことができます。中華風に味付けて炒めたり、天ぷらにしたりしてナスの美味しさを引き出しましょう。
【 油を使わない料理ならスープがオススメ 】
油を避けてナスに含まれる栄養を余すことなく食べるなら「スープ」や「味噌汁」が理想的です。
水に溶けやすいナスニンやカリウムがスープに溶け出し、そのまま飲めば効率的に栄養を摂取できます。
また、ナスは加熱すると柔らかくなるため、食べやすくなるのも大きなメリットでしょう。
ナスは和洋中を問わず様々な料理に使うことができます。
色々な味付けで旬のナスを味わってみてはいかがでしょうか。