健康を維持するために、「腸内細菌叢のバランスが大切」、「腸管免疫が重要」などいろいろ言われているわりには、医師の間でも「腸内細菌叢を整えることは健康維持に大切らしい」という程度で、他人ごとのようにとらえられている方は少なくないように思います。
しかし、この「腸内細菌」こそが健康維持や、薬物治療の効果を高める上でも重要な位置づけとなることがわかってきました。
この度は特に免疫力の向上と腸内細菌の密接な関係についてお伝えいたします。
新型コロナウイルスの感染拡大の収束が未だに見えてこない中、免疫力に大きな注目が集められています。
その免疫力の向上に欠かせない免疫細胞の約7割は、腸に存在していることはすでに誰もが知っている事実です。
では、なぜ腸管に免疫細胞の約7割も集まっているのでしょうか。
その理由は極めて単純です。
特に小腸は、食べ物を胃で消化・分解した栄養素を体内に取り込む最初の場所になりますが、無防備に栄養素とともに病原体(細菌)などを一緒に取り込んでしまうと病気が発病してしまうため備えが必要だからです。
そう考えるとごく自然で納得もできますが、その中で特に重要な物質がIgA(免疫グロブリンA)です。IgAは、大腸菌などの悪玉菌を見つけ出し、その増殖を抑えたり、体外に排出したりする働きがある一方で、いわゆる善玉菌がこのIgAの産生量を増やす働きがあります。
最近では、「がんを薬で治すための腸内細菌との関わり」についての研究が進められており、例えば昭和大学医学部を中心に「Uバンク(便バンク)」プロジェクトが立ち上げられるなど、さかんに腸内細菌とがん治療のかかわりについての研究が行われています。
海外では、この分野の研究は当たり前のようにさかんに行われています。
例えば、2015年にはシカゴ大学とフランスの研究チームは、マウスの実験になりますが、「腸内細菌の違いによってがん免疫の治療効果に違いがある」ことを報告しています。
また、がん免疫治療薬の使用前後で抗生物質を使用した場合は、薬の効果が弱くなることもわかってきました。これは抗生物質によって腸内細菌叢のバランスを崩してしまった結果と考えられます。
このような事実から、腸内細菌叢のバランスを整えるため、いわゆる善玉菌を増やす工夫が大切で、例えば日常から食物繊維やビフィズス菌などの摂取を積極的に行うことも大切と思われます。
腸内細菌と病気との関わりについては、がん免疫だけではなく、糖尿病などの生活習慣病、うつ病などの精神疾患、花粉症などのアレルギー疾患などもよく知られるようになってきました。
実際に、当社が販売する「EF-5K」という商品は、小児アトピーが改善したというお声もたくさん頂いています。