10月下旬になって急に気温が下がってきました。まもなく本格的な冬の到来となります。
冬と言えば健康の大敵、寒さと乾燥の季節です。感染症に罹患しやすくなるだけでなく、健康や美容への悪影響も気にしなければなりません。今回は、寒さと乾燥への対策をご紹介します。
★やっぱり寒さと乾燥はツライ
1年のうちでもっとも湿度と気温が低くなる冬は、不調を感じやすい季節でもあります。冬季の乾燥は、肌・のど・鼻の粘膜にとって好ましくない環境をつくり、粘膜の水分を奪ってバリア機能(免疫力)を低下させます。
しかも、一般的にウイルスや細菌は乾燥した気温が低い状態が大好きで、元気よく活動し増殖します。乾燥してバリア機能が弱っている状態だと炎症を起こしやすく、インフルエンザや風邪にかかりやすくなり、さらに悪化して肺炎になったりするのです。
寒くなって、体を活発に動かすことも少なくなると筋力や血流が低下して体温が下がってしまいます。
体温が1℃下がると、免疫力は30%下がると言われていて、さらにインフルエンザや新型コロナなどの感染症の罹患リスクが高くなってしまいます。
寒くて乾燥する冬は、感染症や免疫力低下など、健康面で辛いことが多い季節だと言えます。
★3つの「首」を温める
外気温が低下すると皮膚の表面温度も低下します。すると、身体は体内の熱を奪われないように手足の末梢血管を収縮して体温を保とうとします。これは「生命維持」のために身体が身を守ってくれている働きの一つです。
手足の指先と首回りは、寒さを感じやすい部位でもあります。身体の冷えは手足から始まって、下半身~上半身へと広がります。その結果、身体全体が冷えてしまい、体温が低下してしまうことになります。
そこで心がけたいのが、「首」「手首」「足首」という3つの「首」を温めるということです。
マフラー、手袋、靴下やレッグウォーマーの着用などの対策をすれば、比較的手軽に温めることができます。
最近では保温性の高い素材や、発熱する素材が使用されているものもありますし、マフラーや手袋などはファッションアイテムの一つとして、楽しみながら防寒対策もできるのではないでしょうか。
★体を温めて、口や鼻を潤しましょう
身体を温めることと言えば、入浴が王道ですね。38?40度のお湯にゆっくり浸かることが大切です。
寒い時期の入浴は、浴室内と脱衣所の温度差をなるべく小さくして、お湯の温度も高くし過ぎないようにして、血圧の上昇など、身体に負担をかけないように気を付けましょう。
また、筋力をアップさせることも体温上昇につながります。筋力アップと言っても特別なことをするのではなく、足首から先を上下に動かしたり、歩くときに少し歩幅を大きくしたり、なるべく階段を使うなど、日常生活で少し負荷をかけることを意識して行動することが大切です。
食べ物や飲み物で体を温めることも大切です。常温や温かい飲み物で水分補給するようにして、いつもの食事に身体を温めてくれる食材を使った温かいものを取り入れるようにしましょう。体を温める食材は、冬が旬で寒い地方でよく育つ野菜が多く、にんじんやかぼちゃ、たまねぎ、れんこん、ごぼう、じゃがいもなどが当てはまります。生姜やにんにく、唐辛子などの調味料や薬味として使われる食材も体を温めてくれますので、料理に使用する際に少し量を増やしたり、ジンジャーティのような生姜を使った飲み物を摂るのもお勧めです。
乾燥対策には、まず室内の湿度を40~60%程度に保つようにしましょう。加湿器を使ったり、洗濯物や濡れタオルを干したり、観葉植物を置いても湿度の安定に役立ちます。
また今では当たり前になっているマスクの着用も、口や鼻を潤すのに役立ちます。夜間の乾燥が気になる場合は、睡眠時にマスクをするのも良いかもしれません。最近は保湿機能が優れたマスクも販売されていますので、そういった商品を利用するのも方法です。
しっかりと寒さ・乾燥対策を心がけて、この冬も元気に過ごしましょう。