新型コロナウイルス感染を原因とするCOVID-19が、世界的大流行(パンデミック)となり、現在の世界全体での死亡者数は560万人を超えています。
新型コロナウイルスは、主に飛沫感染によって感染し、特に高齢者や基礎疾患を有する場合、免疫力が低下した状態で重症化しやすいことがわかっています。
そこで、新型コロナウイルス感染予防対策として、マスク着用や手指消毒、三密(密集・密接・密室)の回避、部屋の換気などが実行されており、これらの対策を継続して徹底することが重要であることは言うまでもございません。
しかしながら、これらの対策をとっていても感染拡大に歯止めがかかっていない現状があります。
今回は「新型コロナウイルス感染予防対策」の落とし穴と軽視しがちな対策についてまとめてみました。
京都府立医科大学大学院医学研究科生体免疫栄養学教授の内藤裕二先生によれば、新型コロナウイルスは、腸にも存在するACE2受容体(細胞膜に存在する特定の物質の受け皿)にくっつくことで感染することがわかっており、感染者に消化器症状を呈する人が多いのはこのためだとおっしゃっています。
そのACE2受容体は、実は「タバコ」を吸うことで増えることがわかっていますので、「タバコ」を吸うことは「私はコロナに感染します」と宣言しているようなものなので、やはり「タバコ」を控えることがコロナ感染予防の立場からも大切だとおっしゃっています。またWHO(世界保健機関)も、喫煙者は重症化しやすいという声明を発表しています。
さらに、案外見落としがちなトイレからの感染に注意を呼びかけています。
上気道PCR検査が陰性になった人でも、便の中にはウイルスが残っていることがわかっており、大便後に水を流すときにウイルスが浮遊して他の方に感染させる可能性があるということです。
そこで、大便を済ませた後には、便器のフタをしてから水を流すという、ちょっとした工夫も大切だということです。
また、アルコール手指消毒では、十分の液量で丁寧に擦り込むことが大切で、少量の液量で擦り込みが十分でない場合は、きちんと消毒できていませんので、予防対策としての落とし穴につながります。
ところで、日本では軽視されがちな補完代替医療ですが、欧米ではすでに44万人を対象にしたビタミンやミネラル、脂肪酸、プロバイオティクス、ハーブなどの予備的な臨床試験が実施されており、多くのエビデンスが蓄積されつつあります。
その中でも今回、特に注目したいのは「ビタミンD」についてです。
もともとビタミンDは、日光に当たると体内で合成されるということから、どちらかといえば軽視されていました。
しかしながら、海外ではがん患者さんへの投与をはじめ、積極的に補完代替医療として推奨されている成分です。
特にコロナ禍においては外出する機会が少なくなり日光にあたる機会が減っていることや、高齢者の重症化リスクが高いことなどを考えると、ビタミンDの摂取は見逃せない対策のひとつと考えられます。
ビタミンDの摂取がコロナ感染リスクや感染による重症化リスク、死亡リスクを低減させることが複数報告されていますので、ビタミンDの摂取はコロナ禍における健康維持に有用かも知れません。
また、免疫力が低下した状態で重症化しやすいことを考えると、免疫力を高めるサプリメントの摂取も見逃せない対策のひとつだと思われます。