昔から日本の食卓にお馴染みの魚の一つイワシ。その中でも真イワシは、地方によっても異なりますが、初夏から初冬までが旬とされていますので、まさに今からが旬の時期を迎えます。
水揚げ後すぐに傷んでしまうことから、漢字で書くと魚へんに弱いと書く(鰯)ちょっと可哀そうな魚ですが、縄文時代から食されていたとあって、健康のためには摂っておきたい成分がたっぷり含まれた優秀な食材です。
今回は、イワシの健康成分についてご紹介します。
★青魚と言えば、DHA・EPA
イワシなどの青魚に含まれる代表的な健康成分としてよく知られているのが、オメガ3脂肪酸に分類されているDHA・EPAですね。
DHA・EPAは、血液サラサラ成分として皆様に認知されていますが、その他にも、認知機能の改善や抗糖尿病作用、さらに悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やすだけでなく血液中の中性脂肪を減らす作用を有し、脳卒中・狭心症・心筋梗塞・高血圧症・動脈硬化症・脂質異常症などを予防・改善する作用が期待できます。
また、DHA・EPAには脂肪燃焼を促進する効果もありますので、イワシなどの魚を中心とする食事はダイエットにも効果的と考えられます。
★DHA・EPAは「身」以外の部位に多い?!
実は、DHA・EPAは、魚の身以外の部分に多く含まれています。
イワシの身の部分に含まれているのは全体の3割ほどの量で、骨や内臓などの身以外の部分に多く含まれています。
DHA・EPAを効率よく摂るという点から考えると、できるだけ骨や皮まで食べるのがオススメです。
★イワシの健康成分はDHA・EPAだけじゃない!
イワシには、カルシウム、マグネシウム、リンなど骨を構成するのに必要なミネラルも豊富に含まれています。
しかも、カルシウムを体内に取り込みやすくするビタミンDも含まれていますので、強い骨と歯をつくりたい方や骨粗しょう症を予防したい方にはイワシを積極的に食べることをおすすめします。
その他にも貧血を予防する鉄、肝臓強化に優れたタウリン、健康な皮膚や髪を作るビタミンB2やイワシペプチド(サーディンペプチド)が含まれます。イワシペプチドには血圧の上昇を誘発する酵素の働きを阻害する作用があるため血圧を下げる効果があります。
その他、DHAやEPAと同じようにコレステロール値を下げる効果や動脈硬化、高血圧を予防する効果や肝機能保護・改善効果が期待できるタウリンも含まれています。
★真イワシをそのまま食べるのはちょっと…
「イワシの身以外も食べましょう!」と言われても、小さいカタクチイワシなどであれば食べやすいですが、ちょっと大きめの真イワシとなると、骨まで全て食べるのは難しい場合も多いかもしれません。
手軽な方法として、缶詰などの加工品であれば骨も柔らかくなっていて食べやすいものもありますし、生姜煮や甘露煮などのようにしっかりと煮込む料理で骨まで柔らかくすると食べやすくなります。
あるいは、大きな骨だけを取り除いてから、フードプロセッサーなどですりつぶしてつみれにして味噌汁や鍋料理に入れたり、つみれ汁などにすればイワシの骨まで一緒に食べやすくなります。
(※つみれにする場合は硬い骨が残らないように、すりつぶした後によく確認してください。)
イワシは価格も安定していて手に入りやすく、栄養もたっぷり含まれている魚です。
和洋問わず色々な料理に利用できますので、今からが旬の真イワシを食卓に加えてみてはいかがでしょうか。