この度、米国テキサス大学医学部ヘルスサイエンスセンターのジュディス・スミス教授らの研究により、医療機関向けAHCCの継続的摂取により、免疫系が補完されヒトパピローマウイルス(HPV)感染を消失できる可能性を第Ⅱ相臨床試験で確認し、オンライン雑誌「Frontiers of Oncology」(2022.6.22付)に掲載されました。
同教授らは、2013年10月開催のアメリカ癌統合医療学会、2014年3月開催の婦人科腫瘍学会において「動物モデル試験」の結果を発表された後、2014年10月には第11回アメリカ癌統合医療学会で「ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染した女性にAHCCを投与するとウイルスが死滅する」というヒトへの応用を目指して実施した予備臨床試験結果について発表されています。
この度の論文発表は、さらに研究を進めて得られた研究成果です。
HPVの持続感染は、子宮頸がんの主な原因と考えられていますが、通常は感染しても免疫系が働いて自然にHPVが排除されていきます。しかし、感染が持続すると子宮頸がんの前がん病変を生じ、子宮頸がんの発症へとつながってまいります。
この度の研究では、無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験を実施し、高リスク型HPVに2年以上持続感染している女性が被験者として参加しました。
AHCCグループに割り当てられた被験者が医療機関向けAHCCを1日4包6ヶ月間摂取したところ、22名中14名が陰性となり、さらに継続して6ヶ月間プラセボを摂取したところ、14名中9名に陰性が持続されました。
一方、12ヶ月間プラセボを摂取したグループは、19名中わずか2名の陰性でした。
その後、陽性であった一部の被験者が非盲検でAHCCを6ヶ月間摂取したところ、12名中6名が陰性となりました。
日本における子宮頸がんの罹患者数は年間1万例、死亡者は年間約2,800人を超えると言われています。
HPV感染の予防策としてワクチン接種がありますが、この度の研究発表により、AHCCの摂取はHPV感染対策として有用な手段のひとつとなりうる可能性を示唆していると言えそうです。