サプリメントを利用している方なら「大豆イソフラボン」、「リコペン」、「緑茶カテキン」、「DHA・EPA」、「ルテイン」、「ゼアキサンチン」などの名前を聞けば、ほとんどの方はご存知ではないでしょうか。
これらの成分は「ファイトケミカル」と呼ばれ、身体の老化や生活習慣病と密接な関係のある抗酸化作用を有しているものが多く、その他にも様々な機能性を有していることから植物由来の第7の栄養素として注目されています。
このように植物由来の成分が有用作用を有するのには、それなりの理由があります。
植物は動物と違って動きがとれませんので、例えば日差しが強くなった季節でも日陰に移動することができません。
そこで、自分の身を護るために紫外線による細胞の損傷を防ぐために抗酸化物質を作り出したり、昆虫や微生物の侵入に対抗するために抗菌活性作用を有する物質を作り出したりする必要があり、植物自身が生き延びるために環境ストレスに対抗する物質を作り出しているということです。
日常の食事でも動物性食品だけでなく、野菜や果物など幅広く取り入れることが大切なのは、三大栄養素をはじめとする栄養素の補給だけでなく、抗酸化成分などの補給も大切だからです。
しかし、ここで注意しなければならないのは、いくら身体によい成分だと言ってもたくさんとれば良いのかといえばそうでもないということです。
例えば、最近わかってきたこととして緑茶ポリフェノールは、高用量を毎日摂取し続けると肝臓や腎臓に障害を起こす可能性があることがマウスの実験で明らかにされています。
ファイトケミカルのように、少量(適量)で健康に良い効果を顕すことを「ホルミシス効果」と呼ばれていますが、ホルミシス効果として皆さまの身近で知られているものは「放射線」かと思います。
放射線は、ご存知のとおり大量に浴び続けると癌が発生することはよく知られている一方で、ごく低用量の放射線であれば免疫力が高まりむしろ身体によい効果をもたらします。
放射線のホルミシス効果を利用した癌治療の湯治として玉川温泉などが有名です。
お薬も異物ですが、ファイトケミカルも身体にとっては異物です。
お薬は服用量が少なくても効果は表れませんが、大量に服用すれば副作用が現れることは誰もが知っている事実です。適量を服用した時に適切な効果が現れて症状が改善します。
以上のことから、身体によいという成分であってもむやみに大量に飲用すれば良いというものではないということが言えます。
例えば、免疫力を高めるサプリメントもたくさん販売されていますが、このような健康食品でもある程度の量までは増量は有用と思われますが、一定量以上を服用するのであれば他の食品との組み合わせなどを視野に入れて使用するのが良いと思います。
即ち、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ということを常に心にとめておくことも大切かもしれません。