12月11日は「胃にいい(良い)」の語呂合わせで、胃腸の日に制定されています。
これから年末年始にかけては、普段と違う食生活になることも多く、胃腸に負担をかけやすい時季です。
今月は、胃に良い食べ物と悪い食べ物についてご紹介します。
★そもそも胃腸とはどんな器官?
胃に食べ物が入ってくると、胃液が分泌され食べ物を消化します。ある程度消化されると、胃の筋肉による蠕動運動で、小腸へと送られます。
食べ物などを消化する胃液は、お酢やクエン酸よりも強い酸性で、消化だけでなく体に有害な微生物などを殺菌する役割もあります。そんな強い酸性の胃液は胃壁をも壊してしまうため、胃壁は胃粘液で守られています。
しかし過剰に胃液が分泌されたり、胃粘液が少なくなると、胃の内部が荒れて不調を引き起こします。
胃腸には、食べ物を消化・吸収して栄養を摂取し、体内の老廃物を排泄するという大切な働きがあるため、胃腸の不調は肌トラブルや便秘、下痢 のほか、口臭などの原因となるうえ、腸内環境の悪化は免疫力低下に直結し、健康にも大きく影響します。
胃腸の調子が悪くなる要因は、食べすぎや早食い、食事内容の偏り、風邪やストレスなどさまざまです。
胃の不調を感じたときには、なるべく胃に良い食事をとるようにしましょう。
★胃に「良い」「悪い」とはどういうこと?
胃に良い食品は、消化しやすく胃に負担をかけない食品です。反対に胃に悪い食品は、消化に時間がかかり胃に負担をかけてしまう食品です。
あくまでも胃に負担をかけるか どうかですので、その食品そのものが体に良い・悪いという訳ではありません。
●胃に良い食品とは(消化しやすい)
消化しやすい食べ物は、脂肪分や食物繊維が少なく、やわらかいことが特徴です。
●胃に悪い食品とは(消化しにくい)
消化しにくい食品は、脂肪分が多いことや、食物繊維が多く硬いことなどが特徴です。食べる時には、小さめにカットしたり柔らかく煮るなど調理で工夫したり、よく噛むようにすれば、胃への負担を軽減できます。
そして、睡眠時は胃を休ませるため、なるべく消化を終えた時間を目安に就寝するようにすると、胃への負担が軽減できます。できれば就寝の3時間前、少なくとも2時間前には食事を終わらせておくのが良いですが、どうしても就寝時間に近くなってしまう場合はできるだけ消化の良いもので量を少なめに食べるようにしましょう。
★食べ物以外でも胃腸に良い習慣を実践しましょう
胃腸のはたらきは他の内臓や血管と同様に、自律神経によってコントロールされています
。ところが、精神的、身体的なストレス、寝不足や不規則な生活、運動不足によって自律神経が乱れると、胃の運動機能や胃液分泌のコントロールができにくくなって、胃腸トラブルを招いてしまいます。
十分な睡眠やリラックスできる時間をとったり、ウォーキングなどの運動で自律神経の働きを正常化すると、胃の機能を高めるのにも役立ちます。
また胃からの逆流につながる場合もあるので、食事後すぐに仰向けになるのは控えましょう。食事後に横になる場合は、体の右側を下にすると胃の出口が下になり、消化したものがスムーズに腸に移動しやすくなります。
もちろん、暴飲暴食や冷たいものの摂り過ぎ、アルコールやタバコ、コーヒーや香辛料などの刺激物も胃腸の働きに悪影響を与えますので、胃腸が弱っているときは特に注意しましょう。