5月29日は、数字の語呂合わせと、こんにゃく芋の種芋の植え付けが5月に行われることから、こんにゃくの日に制定されています。そこで今回は、こんにゃくの健康成分についてご紹介します。
★意外に古い?! こんにゃくの歴史
こんにゃくはご存知の通り、こんにゃく芋の粉末から作られる加工食品です。
こんにゃく芋はインドシナ地方原産で、6世紀ごろに仏教とともに中国から伝わり、精進料理の一つとして広まったと言われていて、平安時代の書物にもこんにゃくの記述があります。
こんにゃくは様々な形状があり、あまりこんにゃく自体には味がないため、おでんなどの煮物のほか、焼いたり茹でたり、生でも食べることができます。
このような形でこんにゃくを食べているのは、ほぼ日本だけだと言われていますが、近年の世界的な健康志向で、ヘルシーフードとして海外でも食べられるようになり輸出も増えています。
★こんにゃくは、「胃腸のほうき」「砂払い」と言われていた?!
こんにゃくと言えば、低カロリーで食物繊維が豊富なため、ダイエット食としてよく紹介されます。それもそのはず、100gあたりのカロリーは5~8kcalで、ほとんどカロリーがないだけでなく、糖質や脂質もほとんど含まれていません。
成分としてほとんどを占めるのは水分(95%以上)で、食物繊維が豊富なため、体の中をきれいにしてくれる働きが強いため「胃腸のほうき」や、体の中の砂(有害物)を外に出してくれるため「体の砂払い」などの名称で呼ばれていたとも伝えられています。
こんにゃくに含まれる主な食物繊維は水溶性のグルコマンナンというもので、人体ではほとんど消化されずに腸の働きを活発にして、体内の老廃物を外に出します。
水を吸って何十倍にも膨れ上がるため満腹感が得やすく低カロリーなため、ダイエット食品として重宝されています。
★ダイエットだけじゃない! こんにゃくは健康食!
グルコマンナンは、コレステロール値の上昇抑制をはじめ、体内の不要な物質や有害物質を体外に排出したり、糖分の吸収をゆるやかにする効果があります。
グルコマンナンとコレステロールの関係を調査した研究結果によると、肥満患者58名を対象にグルコマンナン豊富なこんにゃくを1日当たり1.5g, 2.4g を12週間摂取したところ、総コレステロールおよびLDL(悪玉)コレステロールの数値に改善が見られたことから、グルコマンナン豊富なこんにゃくが生活習慣病予防の作用を有すると考えられています。
さらに食品に含まれる塩分を排出して血圧を下げたり、胆汁酸を排出して血液中のコレステロールを減らして動脈硬化を防ぐ効果も期待されます。
また脂質異常症や糖尿病予防にも効果的とも言われています。また、グルコマンナンによって腸内環境を整えることで、免疫アップやアレルギーの改善などにもつながることが期待できます。
そして、こんにゃくには、骨形成や骨粗しょう症予防、精神的なイライラ防止などに有効なカルシウムも含まれています。
体内の掃除役・整備役として、こんにゃくは継続して食べたい食材ですね。