今年もいよいよ1ヶ月足らずになり、何かと気ぜわしい時季となりました。
この一年、先生方にご指導をいただき、大変お世話になりましてまことにありがとうございました。
本年は、厚生労働省による、補完代替医療と近代西洋医学を組み合わせた「統合医療」のあり方に関する検討会が発足し、討議が重ねられた年でした。
この検討会で、早稲田大学先端科学・健康医療融合研究機構客員准教授 大野智氏は、厚生労働省研究班が実施した補完代替医療の利用実態で、がん患者の2人に1人が健康食品などの補完代替医療を利用しているが、利用者の多くは医師に相談せず、医師側も補完代替医療の知識がなく、双方の間に溝が生じている。その溝を埋めるためには、医師と患者のコミュニケーションを深める努力が必要で、その一助に厚生労働省研究班が作成した「がん補完代替医療ガイドブック」の利用を提案されました。
この「がん補完代替医療ガイドブック」は、本年3月に第3版が作成されており、
日本補完代替医療学会(http://www.jcam-net.jp/topics/guidebook.html)のホームページからもダウンロードできます。
今後は、患者が「補完代替医療」を実践していることを医師に隠すことなく、気軽に医師に相談できる環境が整備されていくことと、医師も患者に正しくアドバイスできる情報が整備されていく事が望まれます。
また、大阪大学大学院医学部系研究科教授 伊藤壽記教授は、統合医療の目指すゴールは、医療費の高騰に歯止めをかけるための「予防医療」であることを提言されています。
「補完代替医療」として使用される健康食品は、最近では「がん」だけでなく、「糖尿病」や「高血圧」などの生活習慣病、「アトピー性皮膚炎」、西洋医学的に治療が困難な「認知症」の予防や改善など広範囲に利用されています。
今後のエビデンスの蓄積により、一層信頼される「補完代替医療」の発展を望みます。
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