ヤマブシタケの薬理研究は、免疫賦活作用と抗腫瘍作用が中心で、神経系に関する研究は、ほとんどされていませんでした。
一方、神経成長因子(NGF)が発見されて以来、NGFが注目されるようになりましたが、ヤマブシタケ抽出物質が血液脳関門を通過してNGFに働きかけ、脳神経細胞の機能修復を行える可能性を示唆する研究結果が発表されて話題になっています。
ヤマブシタケ抽出物質の最近の研究では、アミロイドβの毒性を抑制することや神経保護作用についても報告されています。
さらに、脳機能を活性化し、睡眠、覚醒、日常行動に良い影響を与え、精神科領域においても、睡眠障害、認知機能障害、気分障害などに適応範囲が広がる可能性を示唆する報告が発表されています。
ヤマブシタケ抽出物質におけるこれらの作用は、ヤマブシタケ子実体から得られる「ヘリセノン類」と「アミロバン」を定量化したヤマブシタケ標準化抽出物(アミロバン)によって研究が進められています。
例えば、認知症患者によく見られる昼間の眠りは、アミロバンの服用で覚醒水準が上がり、目覚めている時間が増えていることが観察されたり、認知症の行動面での改善や向精神薬などの使用による認知機能低下の改善なども報告されています。
最近、久留米大学名誉教授 稲永 豊先生から、閉じこもりの毎日を送っていた患者が、アミロバンを服用することにより明らかに気分が明るくなり、学習意欲が上がり、他人との交流が容易になったという統合失調症患者への使用経験を医療雑誌「統合失調症」の中で報告されています。
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