4月は、進学や就職などで人の移動が多く、人と接触する機会も増え、空気感染する麻疹(はしか)は、特にこの時季に流行しやすいと言われています。
そこで今回は麻疹(はしか)についてお話いたします。
一般に「はしか」という言葉が使われていますが、正式には「麻疹(ましん)」と言います。
麻疹の感染で最も注意したいのは、妊娠の可能性がある女性への感染です。
もし、麻疹の免疫力の無い女性が妊娠中に感染してしまうと、流産や早産の可能性が高くなることが報告されていますので、出産を希望する女性の方は、麻疹に対する抗体価(IgG抗体)の測定をお薦めいたします。
麻疹(はしか)は、麻疹ウイルスの感染によって発症しますが、空気感染しやすいのが特徴
で、特にエレベーターや同じ部屋にいるだけでも感染しますので注意が必要です。
麻疹にかかったかどうかの判断は、症状などからもある程度判断することは出来ますが、確定診断については検査を行うことが望ましいと言われています。
麻疹の症状は、高熱(39度以上)と全身に赤い細かな発疹が出るのが特徴で、風邪と同じような咳や鼻水の他、色素沈着(回復しても湿疹が赤黒くなってしばらく残ります)、目の充血や目やに、下痢などの症状が出ます。
また、口に中に「コプリック班」という白い斑点が出るのも特徴的な症状です。
「麻疹かも?」と思ったら、まずは医療機関を受診しましょう。
昔は「一度かかれば、一生大丈夫」と思われていましたが、免疫記憶の更新機会がどの程度あるのかは不明で、一度かかったからと言って安心は出来ません。
強い空気感染力と終生免疫になりにくいという麻疹の予防方法として、まず日頃の健康管理が一番で、夜更かし、寝不足、不規則な食事の摂取などが続いている時に人ごみのところに出て行くことは避けたいものです。
どうしても人ごみを避けることが困難な場合は、外出時にマスクを装着するだけでも麻疹への感染の機会を減らすことが可能となりますので、マスクの着用をお薦めします。
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