健康スマイル2月号で「大豆は偉い!」というお話をいたしました。今月号では、「魚は偉い!」という
お話を致します。
皆さまご存知のとおり、日本人は世界的な長寿の国となっています。
その要因は、様々ですが、日本人の食生活にもその秘密が隠されているようです。
健康に良い食生活としての「ま・ご・わ・や・さ・し・い」は、食品研究家で医学博士の吉村裕之先生が提唱された食材ですが、
「ま」は、大豆をはじめとする豆類
「ご」は、ごま
「わ」は、わかめをはじめとする海藻類
「や」は、野菜類
「さ」は、魚類
「し」は、しいたけなどのキノコ類
「い」は、いも類
ということです。
これらは、日本人が慣れ親しんでいる「和食」の食材そのものです。
今回は、この中でも魚類についてお話します。
魚類といえば、もう皆さんは「DHA」や「EPA」のことをよくご存知だと思います。
しかし、この「DHA」や「EPA」も最近になって改めて見直されてきています。
一昔前には、「魚を食べると頭がよくなる」とうわさされたこともありましたが、それは間違いです。
魚を食べても決して知能指数が高くなるわけではありません。
それでは、「DHA」や「EPA」の何が注目されているのでしょうか?
ひとつは、「DHA」と「認知症改善効果」との関係です。
大手水産会社のマルハニチロホールディングスと島根大学医学部などとの共同臨床研究によれば、「DHA」を摂取することにより、加齢にともなう記憶や認知機能の低下を抑制する効果があることを発表しています。
また、京都大学のips研究所の研究では、アルツハイマー病患者の脳内では、Aβ(アミロイドベータ)と呼ばれるたんぱく質の「ゴミ」が過剰に蓄積することで、「細胞内ストレス」という有害な現象が起きて神経細胞が死滅し、記憶障害などを引き起こすことが知られていますが、細胞内にAβが蓄積した2人の細胞に低濃度のDHAを投与した場合、神経細胞の死滅が抑制されたことも確認されています。
次に「DHA」や「EPA」と「心臓病」との関係です。
同じ日本人であっても魚をよく食べている人ほど「心臓病」で死亡する割合が低くなっていることも知られています。さらに、血中中性脂肪値の低下作用や悪玉コレステロールのLDLコレステロールの質を改善し、善玉コレステロールのHDLコレステロールを増加させる作用などから、これらの成分を含んだ医薬品が本年1月から医療用医薬品としても販売されるようになりました。(商品名:ロトリガ)
このように、「お肉のアブラ」と違って「魚のアブラ」は、健康に良い働きをする「アブラ」ですので、ぜひ積極的に摂取したいものですね。
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