薬の副作用と聞けば、皆様はどのようなことを連想されますでしょうか?
その質問に「怖い」と答える方が大半を占めるといわれています。
しかし、実際に現れるか現れないかは別として、副作用の無い薬はありません。
そもそも「副作用」とは、本来の効き目以外の望ましくない作用のことですが、多くの薬はいくつかの作用を持っていますので、治療目的にあっていないものは全て副作用となります。
皆さんは、風邪薬やアレルギーの薬を服用して眠くなった経験はありませんか?
この「眠気」が副作用のひとつです。
一方、睡眠改善を目的とした一般用医薬品で「ドリエルR」という薬がありますが、これはジフェンヒドラミンという抗アレルギー成分の眠気の副作用を主作用(効き目)にして作られた薬です。
即ち、薬の効果は、使用目的によって主作用になったり副作用になったりします。
このように目的以外に現れる軽い副作用は、大きな問題にはなりませんが、最も注意したいのは予想がつかない重大な副作用や薬本来の効き目が強く出すぎるために起こる副作用です。
薬本来の効き目が強く出すぎるために起こる副作用の例としては、糖尿病の薬による「低血糖症」や高血圧症の薬による「めまい、ふらつき」などがあります。
しかし、これらは、薬の使い方などを医師や薬剤師の指示通りに守っていれば防ぐことが出来ます。
最も注意しなければならないのは、予想しがたい重大な副作用です。
例えば、もともとその薬が体に合わないために起こる「過敏反応(アレルギー反応)」があります。発生頻度は低いものの早急に対処しなければ生死にかかわることもあります。
また、薬を服用してから短時間の間に発疹や水疱が現れた場合は、スティーブンス・ジョンソン症候群という生死にかかわる副作用の可能性があります。
このように一言で「副作用」と言っても眠気などの軽いものから、生死にかかわる重大なものまでいろいろあります。
仮に、予想できない重大な副作用が現れたとしても、早い段階で対処すれば大きな問題になることは防げます。
薬を服用して「いつもと違う」、「最近、どうも調子が悪い」、「何か変だ」と感じた時は、早めに医師や薬剤師に相談することが最も大切な事といえます。
漢方薬やビタミン剤を含めて、副作用が絶対に出ない薬はありませんので、副作用も正しく理解して、治療目的にあった薬をきちんと服用することが大切です。
医師から処方された薬の副作用が怖くて「自分の判断で服用しない」ということの無いように、何か疑問点があれば必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
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