札幌市ロイトンホテルにおいて、7月27日~28日の日程で第21回統合医療機能性食品国際会議が開催されました。
今回の参加者は、450名分準備された椅子が足りないほど盛況で、海外からの聴講者も多く、質疑応答も積極的に繰り返され、予定時間をかなりオーバーするほど活況な会議でした。
健康食品ではありますが、医師や研究者の「AHCC」などに対する興味の深さを感じることができました。
栄養免疫学を専門にされている Philip C.Calder氏による、基調講演の内容を簡単にお伝えさせて頂きます。
【基調講演】 「免疫機能をサポートする栄養の役割」
Philip C.Calder(University of Southampton,UK)
十分に機能している免疫システムは、病原体に対する良好な防護作用の鍵となります。
免疫システムは体中に分布している様々な異なる細胞タイプや多種多様な化学伝達物質が絡み合ったおり、免疫能力は加齢とともに減少していきます。
低栄養状態においては、免疫機能を低下させ、感染症に罹患し易くなります。また、感染に対する免疫応答は栄養状態を悪化させ、体組成を変化させていきます。
実際、すべての免疫機構はタンパクエネルギー栄養障害によって影響を受けてしまい、非特異的防御と細胞性免疫は最も深刻な影響を受けます。 また、微量栄養素の欠乏は免疫機能を弱めます。栄養状態が回復すると免疫機能の障害は元に戻ります。特に、いくつかのアミノ酸と脂肪酸は免疫機能のサポートと調整に重要な役割を果たしています。
腸管に関連するリンパ組織は、免疫機能を考える上で特に重要といえます。
腸内菌叢を改善するプレバイオティクスやプロバイオティクスは、実験動物において免疫機能を高めることが確認されていますが、人においても同様なことが起こるかもしれません。
以上のことを総括すると栄養は、抗原などの負荷に対して適切に免疫系を応答させる環境を作り出すことができ、それにより健康状態は維持されるといえます。
以上、栄養免疫学の立場からの基調講演の内容をお伝えさせて頂きます。
免疫システムをベストな状態に維持するためには、栄養管理が大切で、さらには腸内環境の整備は不可欠であることを改めて認識することができました。
その他、一般演題でもたくさんの発表がありましたが、先生方におかれましても、AHCCなどの健康食品を使用された印象として、良い結果がございましたらぜひご教示いただきたく思いますので、よろしくお願い申し上げます。
補完代替医療としての健康食品等の利用は、西洋医学を否定することや西洋医学に代えて行う医療ということではございません。
あくまでも、通常の医療を補完する役割という位置づけですが、時には西洋医学の治療だけでは困難な場合などに大きな役割を発揮することもございます。
また、抗がん剤の副作用軽減なども無視できない結果で、患者さんのQOL向上に大きな効果を発揮しています。