生活習慣病の一つ、2型糖尿病の一因に、血糖値を下げる物質インスリンが肝臓で過剰に分解される体質がありそうだとの研究結果を、順天堂大の綿田裕孝教授、藤谷与士夫准教授らのチームが米科学誌に発表した。
インスリンは膵臓(すいぞう)のベータ細胞から亜鉛と一緒に分泌され、肝臓を通って全身に届く。しかし、遺伝子の変異で亜鉛の分泌が減ると、肝臓でインスリンが分解されやすくなってしまうことをマウスの実験で突き止めた。
ベータ細胞は分解された分を補おうとインスリン生産を増やして疲弊し、発症リスクが高まるらしい。人間にも同じ仕組みがあるとみられる。日本人の4分の1がこの変異を持っているという。
(2013年11月5日 産経新聞)