厳しかった冬も終わり、ようやく暖かな桜の季節となりました。
これから薄着の時季となり、特に女性の方はお腹周りの脂肪が気になり始める方も多いのではないでしょうか?
先日の日本経済新聞には、下記のような記事が掲載されておりました。
「日本は、世界各国に比べ肥満は深刻ではないが、厚生労働省は特に男性の肥満者が増加傾向にあるとして注意を呼び掛けている。WHOによると、肥満は年々、中低所得国を中心に拡大。世界の成人の約10%が肥満という。WHOは、心臓血管の疾患やがん、糖尿病などと闘うための13~20年の「行動計画」で、肥満の拡大防止を目標の一つに掲げ、関連が指摘される飲食物への課税も一案として提示している。」とのことです。
「肥満」は他人事ではなく、男女問わず世界的課題と言えそうです。
さて、医学的に「肥満」という言葉を使うときには、脂肪が一定以上に多くなった状態のことをいいます。
肥満の判定は、身長と体重から計算される、(肥満指数)BMI(Body Mass Index)という数値で行われています。
★ BMI [体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))] ★
18.5未満:低体重(やせ)
18.5以上25未満:普通体重
25以上30未満:肥満(1度)
30以上35未満:肥満(2度)
35以上40未満:肥満(3度)
40以上:肥満(4度)
また、からだの脂肪量のうち、内臓にたまる脂肪がもっとも問題だといわれています。この内臓脂肪は、腹囲を測定することで内臓脂肪型肥満かどうかの判定が行われるようになりました。
男性85cm以上、女性90cm以上だと内臓脂肪型肥満と判定されます。
40歳以上の人が受ける特定健診などでは、腹囲が基準値を超えているかどうかが重要視されています。内臓脂肪が多くなると、高血圧や脂質異常症、糖尿病、動脈硬化などになりやすくなる物質が多く分泌されるようになるからです。肥満でいちばんこわいのは、命にかかわる多くの生活習慣病のもとになりやすいということです。
日本人の死因の第1位はがん、第2位は脳卒中(脳梗塞や脳出血)、第3位は心臓病(心筋梗塞や狭心症)です。2位と3位はどちらも動脈硬化や高血圧、脂質異常症などが大きな危険因子です。
日本人の間で急激に増えている糖尿病、高尿酸血症や痛風、脂肪肝、 膵炎なども、肥満との関わりが深い病気です。その他にも、肥満の方は、体中に余分な脂肪がつくので、のども脂肪で狭くなっています。眠って筋肉がゆるんでいると空気の通りが悪くなり、眠っている間に息をしない時間が何度もある「睡眠時無呼吸症候群」という症状になることがあり、命に関わることもあります。また、骨の太さはほとんど変わりませんから、体重が骨や関節によけいな負担をかけ、腰痛や関節痛の原因となることもあります。
● ● ● ● ● 正しい肥満対策 ● ● ● ● ●
1.エネルギーのとり過ぎを改める
肉、油脂、お菓子類を減らし、野菜、海藻、きのこなどはたっぷりとる。
2.食べ方の悪いクセを改める
1日3食きちんと食べ、よく噛み、ゆっくり味わい、寝る3時間前までに食べ終える。
3.体脂肪を効果的に燃やす有酸素運動(ウォーキング・サイクリング・ゆっくりめの水泳など)
と体脂肪が燃えやすいからだを作る筋肉運動(スクワットや腕立てふせなど)を習慣にする
※体調に不安のある方は無理をせず、医師の指示に従ってください。
また、抗肥満に対するエビデンスのある健康茶や青汁などの活用も効果的と思われます。