大阪大の中神啓徳教授(老年内科)のチームが、インスリンの分泌を妨げている酵素を標的にした糖尿病のワクチンを開発し、マウスを使った実験で血糖値を下げることに成功したと17日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
酵素はDPP4と呼ばれる。その働きを阻む糖尿病治療薬は既にあるが、中神教授は「ワクチンは薬と違い、飲み忘れがないのが利点。安全性や効果を確かめる臨床試験を、5年後をめどに実施したい」と話す。
生活習慣が主な原因の2型糖尿病を対象にしており、阻害作用は糖尿病治療薬と同等だったという。
(2014年3月18日 毎日新聞)