脳梗塞(のうこうそく)予防薬が認知症の進行抑制にも有効であることを、国立循環器病研究センター(国循、大阪府吹田市)などの研究グループが明らかにした。アルツハイマー病患者への投与で実証。27日付の米科学誌電子版に発表した。
国循脳神経内科の猪原匡史(いはら・まさふみ)医長が、脳梗塞予防薬「シロスタゾール」を半年以上にわたって投与された軽度のアルツハイマー病患者34人と、投与されなかった同様の患者36人を分類して比較。投与された患者の認知機能の年間低下率が約80%抑制されていたことが判明した。
猪原医長は昨年11月、認知症のマウスの実験で、シロスタゾールが脳に蓄積する老廃物の排泄(はいせつ)を促進させる作用があることを学会で発表しており、「シロスタゾールの有効性が、認知症患者での調査でも鮮明に示された意義は大きい」と話している。
シロスタゾールには血管を拡張させ、脳血流を上昇させる作用があるが、認知症患者も血管の病気を併発することが知られており、一連の研究のヒントになったという。
国循を中心とする約10の医療機関などが連携して今秋に認知症の薬剤としての治験を行い、副作用などを確認する。
(2014年2月27日 産経新聞)
