国立がん研究センターは8日、1滴にも満たない、ごく微量の血液検査で早期大腸がんを見つける診断方法を開発したと発表した。数年後の実用化を目指している。
同センターの落谷孝広・分子細胞治療研究分野長らの研究グループは、大腸がん細胞が分泌する特殊な血液中の微粒子を発見。これを3時間以内に検出する方法も開発した。早期大腸がん患者194人の血液で調べ、大腸がんに特有の目印を持った微粒子が約50%の割合で検出された。健康な191人の血液からは全く検出されなかった。
現在の大腸がん検診では、便に含まれる血液を調べているが、落谷分野長によると実際にがんが見つかる確率は低い。新たな検査は血液だけですみ、「より精度が高く、患者に負担が少ない検診になりうる。数年後に集団検診などで活用できるよう、準備を進めたい」と話している。
(2014年4月9日 読売新聞)