約8年前からメタボ(メタボリックシンドローム)という言葉が流行し、今では広く浸透するようになりましたが、最近では新たにロコモ(運動器症候群=ロコモティブシンドローム)という言葉をよく耳にするようになりました。
ロコモとは、40歳を過ぎると年齢とともに骨、関節、筋肉などの運動器が急速に衰え始め、バランス能力や筋力が低下することで足腰が弱り、立ったり歩いたりする動作が困難になり、骨粗しょう症、変形性脊椎症、変形性関節症といった慢性運動器疾患に移行する恐れや、要介護になる危険性が高い状態のことで、日本整形外科学会が予防を提唱しています。
介護を受けている人の2割は、足腰などの運動器の障害が原因で介護が必要になったといいます。また、日本は長寿国といわれていますが、平均寿命と健康寿命との間に差があり、その差を縮めるにはロコモ予防が必要だと指摘されています。健康寿命とは、健康上の理由で日常生活が制限されることなく生活できる期間です。
加齢に伴って運動器の機能は誰もが衰えるので、超高齢社会の現代においてロコモは国民病と言ってもいいでしょう。とくに、高齢者ではロコモが進行すると、それ自体の症状に加えて骨折・転倒を招くリスクも高まり、要支援・要介護の大きな要因となります。このように運動器の障害は、本人だけでなく家族にとっての問題にもつながっていくわけです。
簡単にできる!★ロコモチェック★
以下の項目で思い当たるようなことがあれば、ロコモ対策を真剣に考えてみてはいかかがでしょうか。
□ 片足立ちで靴下がはけない
□ 家の中でつまづいたり、すべったりする
□ 階段を上がるのに手すりが必要である
□ 家のやや重い仕事が困難である(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)
□ 2Kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である(1Lの牛乳パック2本程度)
□ 15分くらい続けて歩くことができない
□ 横断歩道を青信号で渡りきれない
正しい食生活で骨や筋肉になる栄養素をしっかり摂り、ウォーキング、ラジオ体操など自分の体力に合わせて適度な運動を習慣づけ、足腰を鍛えるなどをしてロコモを予防しましょう。
参照サイト「日本整形外科学会公認 ロコモ予防啓発公式サイト」
https://locomo-joa.jp/check/lococheck/