脳内に蓄積することでアルツハイマー病の原因となるタンパク質「アミロイドベータ」を減少させる動物実験に、北海道大や広島大の研究チームが成功した。今後、アルツハイマー病の予防や治療法の開発につながる可能性があるという。
記憶障害などを招くアルツハイマー病は、脳内で分解しきれなくなったアミロイドベータが蓄積して次第に塊になり、神経細胞を傷つけることが原因の一つとされる。
北海道大大学院先端生命科学研究院の五十嵐靖之特任教授や湯山耕平特任助教らは、脂質の膜などでできた粒子「エクソソーム」のうち、神経細胞で作られるものがアミロイドベータと結合することに着目した。
アミロイドベータが過剰に作られるよう遺伝子操作した生後4カ月のマウスの脳にエクソソームを2週間注入すると、注入していないマウスに比べ、アミロイドベータが平均で約45%少ないことを突き止めた。
(2014年8月20日 産経新聞)