iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使ってパーキンソン病を治療する研究について、京都大iPS細胞研究所の高橋淳教授は16日、臨床研究計画を今年6月ごろに学内の審査委員会に申請する方針を明らかにした。審査委が承認すれば、厚生労働省による安全性などの審査を受け、来年にも臨床研究を開始する。
iPS細胞を使った臨床研究は、理化学研究所が昨年秋に実施した目の難病に続き2例目になる見通し。
高橋教授は、大阪府吹田市で開催中の国際シンポジウムの記者会見で、「他の研究グループと情報共有して手法を標準化させたい」などと話した。
パーキンソン病は神経伝達物質のドーパミンを出す神経細胞が減り、手足が震えたり、こわ張ったりする難病。薬で症状を抑えられるが、根本的な治療にはならない。高橋教授らは患者の血液などからiPS細胞を作り、神経細胞になる前の細胞にして脳に移植する治療法を計画している。
(2015年1月16日 毎日新聞)