平成25年2月の「くすりの話」では、「大豆は偉い」というお話を致しました。
今回は、「乳酸菌は偉い」というお話をさせて頂きます。
健康と腸内環境の関係に関する研究は、近年ますます盛んに行われ、今まで未知だった
ことも徐々に明らかにされてきました。
体内に存在する腸内細菌は、約100兆個で重さにして約1.2kgあるとも言われています。この腸内細菌のバランスによって私たちの健康が左右されていますが、よく知られていることは、腸内細菌叢と免疫力との関係です。
人の腸内には、体全体の免疫細胞の約60%を占めているといわれ、その免疫細胞を活性化する手段のひとつとして乳酸菌があります。
一般に腸内細菌には「善玉菌」と「悪玉菌」、そしてどちらにも属さない
「日和見菌」があります。腸内細菌のバランスが、善玉菌が有利になれば、
日和見菌も良い働きをします。
しかし、悪玉菌が有利になれば日和見菌は悪玉菌の味方になってしまい
ます。そこで、常に腸内環境を善玉菌優位にしておく必要があります。
一言で乳酸菌と言っても、たくさんの種類があり、どの種類の乳酸菌が
どんな働きをしているかという細かいこともわかってきました。即ち、乳酸菌と言っても全て同じではありません。
例えば、「抗アレルギー作用」が期待できる乳酸菌は、CMでもお馴染みです。このように、乳酸菌の中でも
「得手・不得手」があり、どの種類の乳酸菌がどの病気に関連しているかということが分かってきました。
今回は乳酸球菌の一種、FK-23菌の研究成果についてお伝えします。
(1)免疫賦活作用
(2)抗腫瘍作用
(3)抗がん剤副作用軽減作用
(4)C型肝炎改善作用
(5)高血圧の血圧低下作用
(6)感染症抑制作用
(7)抗動脈硬化作用
(8)肺炎抑制作用
(9)抗インフルエンザ作用
(10)抗アレルギー作用
(11)美肌作用
(12)NASH改善作用
こんなにたくさんの作用が期待できるFK-23菌ですが、ホットな話題として難病指定されている「多発性硬化症」の方にも応用できる可能性も分かりつつあります。
多発性硬化症の方は、クロストジウム属のⅣという菌が低下していることがわかっていますが、FK-23菌を摂取することでクロストジウムⅣが増えることが分かりました。もちろん、このことだけでFK-23菌が多発性硬化症の方に有用とは言えませんが、かなり詳細なところまで研究が進みつつある一例です。このように乳酸菌は、健康維持に関して幅広く作用が期待できます。
まさに、「乳酸菌は偉い!」といえます。
私たちの生活環境では、PM2.5やPM10などの微粒子を嫌でも多少なり毎日吸っています。
「私は、PM2.5やPM10などの微粒子を吸っていません」という人は一人もいません。
市販の一部のパンやサンドウィッチは、カビが生えませんが、それは防腐剤が使われているからです。それが嫌だから市販のパンは食べませんと言っても、それだけではなく、市販されているほとんどの食品にはその他の様々な添加物が使われています。
そのような環境の中、いかにして健康を維持するかということが大切になりますが、その方法のひとつとして、FK-23菌のような幅広く健康維持に良い作用が期待できる乳酸菌を摂取することも良いかも知れません。