国立がん研究センターは、がん細胞の増殖に関わる新たな遺伝子を発見した、と発表した。
研究グループは、腎臓がん、大腸がん、膵臓がんなど、さまざまながん細胞で「IER5」と呼ばれる遺伝子の働きが異常に活発化することを確認した。この遺伝子は、細胞を保護する「ヒートショックプロテイン」というたんぱく質をがん細胞内で増やす働きがあり、結果的にがんの増殖を手助けしているらしい。
大木理恵子・主任研究員は「IER5の働きを抑えることで、がん細胞の増殖を防げる可能性がある。今後、治療薬の開発につなげたい」と話している。
(2016年1月21日 読売新聞)