冬の本格的な寒さが続いていますが、この時季に気をつけたい感染症といえば、風邪やインフルエンザを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。しかし、気をつけなければならないのはインフルエンザだけではありません。昨年11月頃から流行が続いているノロウイルスにも注意が必要です。
ノロウイルスに感染すると、腹痛・激しい下痢や嘔吐・発熱といった症状が出ます。
感染性胃腸炎のひとつですが、有効なワクチンがないため、吐き気止めや胃腸薬を服用するなどの対症療法しかありません。
そのため、ノロウイルス感染に対しての予防がとても大切になります。
一般的な感染予防対策としては、
・30秒以上かけて手をしっかり洗う
・食材は85℃以上で1分以上加熱する
などがあります。
このような体の外側で防ぐ方法に加えて、最近注目されているのが、ラクトフェリンという成分を摂取する方法です。
ラクトフェリンは、母乳に含まれているたんぱく質成分で、
(1)ラクトフェリンが胃の中でラクトフェリシンという物質に変化し、ノロウイルスに直接くっついて腸の表面の細胞へ入り込むのを防ぐ。
(2)腸管の免疫力を高める
という作用でノロウイルスの感染を抑制するようです。
森永乳業の研究結果によると、ラクトフェリンを毎日摂取した人は、ノロウイルスに感染する割合が低いというデータがあり、さらに5歳未満の保育園児を対象に行った調査でも、ラクトフェリンを継続的に摂取することでウイルス感染症を予防したり、軽症化できる効果が報告されています。
目安となるラクトフェリンの摂取量は1日400mgとされていますが、ラクトフェリンを含む食品は少なく、ラクトフェリンを含む代表的な食品のチーズでも、100gあたり(およそ1パック)300mgほどしか含まれていないため、食品だけでの摂取は難しいといえます。
そこで、ラクトフェリンをたっぷり含んだサプリメントの摂取がお勧めです。
ラクトフェリンは、ノロウイルス対策だけでなく生活習慣病や内臓脂肪を減らす作用などがあり、非常に注目されている成分です。
また、一般的な感染症対策として、アルコール消毒がありますが、アルコール消毒液はノロウイルスには効果がありません。
しかし、アルコールに酸を加えて弱酸性にした消毒液なら、ノロウイルスにも有効です。
(例:ラビショットなど)
その他、ノロウイルスに対しては、次亜塩素酸ナトリウムという成分が有効ですので、次亜塩素酸ナトリウムを含む漂白剤を食器や調理器具の消毒に用いたり、嘔吐物の処理の時に利用するのも効果的です。絨毯などに嘔吐した場合は、ノロウィルスは熱に弱いですので、スチームアイロンで十分にスチームするのもよいでしょう。